第4話
[おはよう、美月。]
[おはよう。]
[美月、元気無いね?どした?凉さんと
何かあった?]
と美咲が聞いて来た。
[昨日、高校生だからって振られた。]
[な、何それ?バカにしてるの?
ちょっと、私今から凉さんの所行って
来るから!]
[いいよもう、凉さんが決めたんだから。]
[でも美月...]
真由と貴子も
[それは納得いかないよ!最初から
高校生って分かってたじゃん!]
[うん、もういいよ、私に恋愛は
やっぱり無理だったんだよ。]
席にボーット座る美月。
美咲、真由、貴子の3人は星矢の
元へ走った。
[星矢、美月別れたよ!]
[今、落ち込んでる、あんたの力が
必要なんだよ!]
[えっ!...俺の力?]
[そう!あんたが美月の力に、なって
あげて!]
[俺は、ずーっと振られてるんだぞ!
力に、なると思うか?]
[思う!]
と3人。
[で、どうすれば、いいんだよ!]
[そこだよね?]
[どうしたら、いいんだろう?]
悩む4人。
美月は今まで以上に受験勉強に力を
入れた。
もう部活にも行ってない。
バレーを、する事さえ拒否している。
そして高校、最後の年、3年生に
なった。
美月は相変わらず毎日、勉強に
明け暮れていた。
そんな美月を美咲、真由、貴子、星矢の
4人は、ずーっと見守って来た。
そして入試を控えた、ある日
美月の町には珍しく雪が
降った。
学校から帰る4人。
[キレイだね~。]
[本当に!毎年、雪なんて降らない
のにね?]
[異常気象だね。]
[でもキレイ~]
と言いながら帰っていた。
その時
[キャッ!]
と言う声と同時にドスンと音がした。
美月が転んだのだ。
[美月、大丈夫?]
[立てる?]
[足が...足が...]
3人が足を見ていると、みるみる
腫れて来た。
[ヤバイ、これ骨折れてるよ!]
[救急車、呼ぶ?]
[でも命の危険が無い時は、むやみに
呼んじゃ、いけないって!]
[どうする?]
[美月、学校迄、肩を貸すから
ケンケン出来る?]
[うん、頑張ってみる。]
美咲と真由が肩を貸す。
貴子は全員のカバンを持っている。
そうしていると星矢が通りかかった。
[どうした?]
[美月が足の骨が折れちゃった
みたいで今、学校に行くところ。]
[ほら美月、来い!]
と言って星矢は腰をかがめた。
おんぶをしてくれた。
[恥ずかしいよ。]
[黙れ!学校迄ケンケンで行ったら
大変だぞ!美月だけじゃない、肩を
貸してる美咲、真由、みんなの
カバンを持ってる貴子、全員が
しんどいんだぞ!]
そう言って、学校迄おぶって連れて
行ってくれた。
[ありがとう。]
[おう、明日から朝、家迄、迎えに
行くから待ってろよ!]
[えっ!]
[えっ!じゃ無い!動けない奴は
黙って言う事を聞け!]
学校からは先生が病院へ連れて
行ってくれた。
[折れてますね。]
そう言ってギブスを巻かれた。
さすがに、その夜は痛かった。
翌朝
星矢が迎えに来た。
[おはよう、美月、俺の母さんの
車で行くからな!]
[いいよ、私のお母さんに送って
もらうよ!]
[バーカか、お前な~学校に着いて
カバン持って、どうやって松葉杖で
教室迄、行くんだよ!いいから
ほら!]
と言って腰をかがめて又私をおぶって
車に乗せてくれた。
[星矢君ごめんね、ありがとう。]
美月のお母さんが星矢に、お礼を
言う。
頭をかく星矢。
美月は星矢のお母さんに
[おばさん、すみません。]
[あら、美月ちゃん、いいのよ!
おばさん時間だけは有るから!]
と優しい星矢のお母さん。
[着いたよ。]
[美月、ほら!]
と言って又おぶってくれる。
[母さん帰りも頼むよ!]
[O.K.!大事な美月ちゃん落とすんじゃ
無いよ!]
[分かってるよ!じゃあな!]
そして星矢は教室迄おぶって行って
くれた。
男子達が
[おっ!王子様とお姫様の登場
だな!]
[星矢やったな!大好きな美月
おぶって!]
すると星矢が
[バカか?こんな怪我してる美月を
おぶっても意味ないだろう?元気な
美月をおぶわないと、分かったか?]
クラスに着いた。
美咲、真由、貴子がやって来る。
[星矢ありがとうね、助かるよ!]
[さすが星矢、見直したよ!]
[これからも頼むね!]
それぞれに言いたい事を言っている。
[星矢、ありがとう。]
[おう、又帰りに来るわ!]
[うん。]
星矢が自分のクラスに戻って行った。
[美月~星矢とお似合いだよ!]
[本当、あそこ迄、誰もしてくれないよ]
[私の彼だったら重いって投げ出すよ、
きっと!]
ハハハ、みんなで笑う。
星矢は帰りも来てくれた。
こうして星矢は毎日、美月の送り
迎えをしてくれた。
美月は心から星矢に、感謝した。
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