第83話 何作るかね?
「それで、その後はどうするのですか?」
「後はしばらく放置するだけだ。まぁでも、時々様子を見たほうがいいかもな。あとは、たまにかき混ぜたりとか……」
「それは大変ですね……」
「あぁ、でも仕方ないんだよ。こればっかりはな……」
その後も
「あぁ……、忙しい……」
「もう無理……」
などという弱音が聞こえてきたが、私は特に気にしなかった。
なぜなら私は神だから。彼らの苦労なんてわからないし……。
その後、私たちは製塩所を見学させてもらった。
ただ、そこで少しだけ問題があった。
というのも、私はレオシュ様と一緒に行動していたため、あまり自由に動けなかったのだ。そのため、私が一人で見て回ろうとしたところ、レオシュ様がついてきてしまった。
正直邪魔だなと思っていたのだが、まさかそんなこと言えるはずもなく、結局二人でまわることになった。
しかし、それがいけなかった。レオシュ様は製塩所の設備を見て回りながら、何かにつけて質問をしてくる。最初は丁寧に答えていたが、だんだん面倒になってくる。そしてついに私はキレてしまう。
なんなのこの人?
仕事はどうしたの?
領地のことでしょ?
領地のことなんだから自分でやりなさいよ。
私は自分の意志でここに来てるの。
それなのに何?
ふざけているの?
わかったらさっさと自分の持ち場に戻りなさい。
私は心の中で怒りを爆発させた。
すると、レオシュ様は慌ててどこかへ行ってしまった。
ふぅ、やっといなくなったわ。
全く、手間をかけさせないでほしいわ。
私はため息をつくと、改めて製塩所の中を見て回った。
「いや~、ありがとうございました。おかげで助かりました。本当にありがとうございます!」
「いえ、お役に立てたようでよかったです」
「えぇ、本当に助かりました。ところで、もしよろしかったら、今度うちに遊びに来てください。お礼に食事を用意しますので」
「はい、是非伺わせてもらいたいと思います」
こうして、私たちは館に戻った。
さて、私が考えなきゃいけない事は…
何作るかね?
とりあえず醤油とか味噌で作るとして……
何を作ろうかしら?
そうね、やっぱり肉を使った料理よね!
なら……
やっぱりあれかな。
よし決めた。今日は煮豚を作りましょう!
ということで、早速調理に取り掛かることにした。
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