第19話 裏切られた
ノヴァは高速でパンチしたり、踏み潰そうとしたりしているが、慧は避けながら、ノヴァに攻撃し続けている。
ノヴァは放電した。慧は間一髪でバリアを張ったため、即死を免れたが、手足が痺れて動けない!慧は捕まってしまった。
「やばい!!!!!!舐めプしてたら」
ノヴァは慧を壁に押さえつけた。
「グルゥグルゥグルゥグルゥ」
「ぐぅぅぅ!!!!!!くそっ。この野郎!」
慧はノヴァを睨んだ。
「裏切り者に負けるなんて!毎回俺は誰かに裏切られる!!!!!!子供の頃からずっと!!!!!!おかしい!ああおかしい!」
慧は思い出した。
「人間不信になるほど裏切られた過去があるのが、どんなに辛いか、あなたにはわからんでしょうねえ!」
あ、ここから回想です。
……俺は子供の頃からずっと裏切られ続けていた。だから俺にはもう両親しか信用できる人がいない、いなかった。しかし、両親の入信によって、全てがぶっ壊れた。
「母さん、このお金は今月の分じゃないか。そんなに使ってたらなくなっちゃうよ」
「いいんだよ。ねえあなた」
「そうだよ。俺は会社を経営してるんだぞ。超大企業だ。そんなすぐには無くならんよ」
俺は念のため貯金しておき、いざとなったら使おうと思っていた。だが……。
「ァァァァァァァァ!!!!!!それは俺の貯金!」
「え?ああすまんすまん。後で返すよ」
「それ何回目だよ!ずっとそんなふうに言って、返したことある?」
「うう……うるさいうるさいうるさい!」
そう言って、父さんは出ていった。俺の貯金箱を持って。
そして、恐るべき時がきた。
「あれ?晩御飯は?」
「え?ああこれね。はい。じゃあ言ってくる」
「え??????」
「俺らこれから集会に行ってくる。それ食って寝ろ」
そう言って、2人とも出かけていった。いや、出ていったと言った方がいいかもしれない。
「はいこのお金で食べてね」
と、言いながら2人は家に帰ってきたと思うと、5000円を俺に渡してまた出かけていった。
「5000円?うちにそんなに金ないはず」
そう、うちの会社は倒産したのだ。こんなに持っているわけがない。つまり…。
トゥルルルルルルルトゥルルルルルルル
「はいもしもし。岡山です」
「あ、もしかして息子さん?お父さんお母さんいる?」
「いません……………」
「どこにいるかわかる?」
「わかりません…………………」
「は?テメェふざけんじゃねえぞ?殺されてえのかァァァァァァァァ?」
借金取りに両親は追われていたのだ。この会話が5ヶ月ぐらい続いた。
ドンガラガッシャアアアンンンン
電話機を壊して、俺は家中を漁って武器を持ち、宗教団体の建物へ潜入した。
「この裏切り者がァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「あ、なんでここが!」
持ち前の探知能力で、宗教団体の根城を見つけ出し、フライパンや包丁、サッカーボールで信者たちを殺害した。両親が命乞いしたが、無視して殺した。
1週間後、男女混合の少年刑務所に送致された。そこで早苗と出会った。彼女も俺と同じような環境で過ごしてきたらしく、親近感がわいた。
彼女と一緒に脱出した後、少年刑務所を巡って同じ境遇の者を探して脱出させた。その後魔法を生み出し、それを使って自分たちを監禁した刑務所を襲撃した。
もう一度やり直そうと、魔法都を建都し、名前を慧に変え、
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