第11話 気絶

「グオオオオオオオオオオン」

ノヴァは強靭な手で掴もうとしてきた。隊長はバク転で避けた。今度は長い舌を勢いよく伸ばしてきたが、バク宙して避けた。

「今だ」

隊長は手から糸を勢いよく出し、ノヴァの右目に命中させた。

「グルルルウゥゥゥゥゥゥゥゥ………」

「そちらもだ!」

隊長は左目にも糸を命中させた。

「グルルルルルルルルルルル………」

ノヴァは完全に視覚を奪われて、もがいている。

「何も見えなければこっちのもんだ!」

そう言って、足や腕にも糸を巻きつけようとした瞬間!

ブシュヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ

突然ノヴァの左目の糸が吹き飛んだ。

「え?」

ノヴァの左目は血だらけになっていた。

ブシュヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ

今度は右目の糸も吹き飛んだ。そして、やはり右目は血だらけになっていた。

「………血液を噴射して糸を吹き飛ばしただと⁉︎」

「グルルルルルルルルルルル…グオオオオオオオオオオン」

「や、やばい逃げろ」

隊長は走り出したが…。

ブシュヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ

次の瞬間には胴体の真ん中に穴が開いて、血だらけになって倒れていた。

「グオングオオオオオオオオオオン」

ノヴァは遠くを見た。その先には高島とパイロットが走っていた。

スゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ………

ノヴァは息を吸った。そして……。

ズドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン

「え?」

「ッ⁉︎」

パイロットは抱えていた高島をビルから投げた。

「え…、ちょ、ちょっt」

次の瞬間、パイロットは消し飛ばされた。

「⁉︎」

高島は道路に落ちた。

「いてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

周りを見てみると、みんなパニックになっていた。暴れ出した動物たちが攻めてきたようだ。

「や、やばい………」

高島は体を起こそうとしたが、動かない。

「え……なんで……」

落ちたときの衝撃で怪我をしてしまったが、出血が止まらない。

「おかしい……このくらいの傷……すぐに出血が止まるのに……」

高島は気絶した。











「とにかく逃げるぞ」

何凸守が浅野たちを急かしていた。

「わかったわかった」

その時……。

ズドォォォォォン

ビルの上からノヴァが降りてきた。

「やあや鯖角慣れろ!!!!!!ひゃあ」

「何語だよ」

5人は物陰に隠れた。

スゥスゥスゥ

ノヴァは臭いを嗅いで人間を探している。

「バレたら終わりじゃん」

ノヴァは何凸守たちがいる店の前に来ると、顔を近づけて、長い舌を出した。

「⁉︎」

「何これ⁉︎」

「日化に!」

「ちょっと待って」

環奈がそう言った瞬間、ノヴァの舌につるが巻き付いた。

「今のうちに!」

「え?」

「早く出ろよ!!!!!!」

ノヴァは急に舌に蔓が巻き付いてパニックになっていた。

「グルルルルゥゥゥ………」

ノヴァは立ち上がろうとするが、蔓が足や手にも絡むせいで、うまく立ち上がれない。

「グルルルルゥゥゥ…………………」

ズドゥォォォォォォォォォォォォォォォォンンンンンン!!!!!!

突然ノヴァの体が大爆発した。

「やったか⁉︎」

しかし、ノヴァは煙の中から無傷で出てきた。しかも蔓は全て焼けていた。何凸守ははっとした。

「わざと自爆したんだ!きっとそういうことができるんだ!知能が高い!!!!!!」

「(やっと日本語になった)」

「な、なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎」

ノヴァは雄叫びを上げると、5人に向かって走ってきた。

「ほらやっぱり、もっと早く逃げてれば良かったんだ」


『スプラッシュフィッシュ』


浅野の周りに10尾魚が出てきた。

「囮にするの?」

「当たり前でしょ。あんなんに勝てるわけないじゃん」

魚はノヴァに向かって水を噴いて攻撃した。

「魚をおとりにして逃げろ」

5人は走っていった。

「プシューーー……」

魚たちはノヴァに向かってひたすら水を噴き続けている。ノヴァは魚たちに向かってパンチした。

ズドオオオオオオンガァァァン

地面に大穴を開けるほどの威力だ。魚たちは一瞬で全滅した。

「グルルルルルルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンンンン」

ノヴァは雄叫びを上げると、猛スピードで走り去っていった。

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