第2話 奇妙な集団

ここは東京都目黒区の平凡な……いいえ……全然平凡ではない学校。

「ちょっと頭を冷やせ!浅野!」

「こっちのセリフだ!」

高島照男たかしまてるお……通称「高島くん」は、同級生で幼馴染おさななじみである浅野奏美あさのかなみと喧嘩しているようだ。

「女だからって容赦しないからな!!!!!!」

「男だからって容赦しないからな!!!!!!」

高島は浅野に向かって連続でパンチした。しかし、浅野はそれをかわすと、指から水を勢いよく噴射した。

もうこの時点で平凡ではないことがわかったでしょう……。そう、この世界では人口の50%は何かしらの能力のうりょくが生まれつき使え、その能力は千差万別なので、例え親子でも同じ能力はない。

「水ごときで……無理無理(笑)」

噴射された水が高島の顔にかかった。高島は部屋の隅っこまで飛ばされた。

「やっぱり……昔からあんまり威力変わってないのね……(泣)」

高島はびしょ濡れで言った。

「何事だ!……なんだお前ら、また喧嘩してたのか…お前ら喧嘩しすぎ(笑)」

先生も呆れるほどこの2人は幼い頃から喧嘩しており、もはや街では有名。

「おい授業始まるぞー。席座れ〜」

みんな席に座った。





放課後、高島が街を歩いていると、黒く長いコートを着た人たちが大勢いた。

「なんだ?あの人たちは」

奇妙な集団なので、高島は隠れた。

「まだ科学派の奴らは見つかっておりません。隠れている可能性が高いです」

「そうだな。しかしこの道路の幅ならでも通れそうだ。一旦戻るぞ」

「はい!!!!!!」

奇妙な集団は地面に魔法陣を出現させると、眩しい光に包まれて消えた。

「……なんだったんだ……あの人たちは」

高島は疑問に思っていると……。

「お、高島〜。何してるんだ〜〜?」

別のクラスのリーダー的存在、沖繩蓮界おきなわれんかいが来た。

「なぁ蓮界、さっき奇妙な集団を見かけたんだよ。なんか科学派とかアレとか言ってたんだけど…お前も見かけてないか?」

「え?見てないな。なぁ高島、明日ハム園行こう」

「ああいいよ。確か明日は何も予定なかったはずだし」

「そうか、じゃあ10時半ごろここに集合な。まだあと何人か連れてくるから」

「OK」

蓮界は歩いていった。

「うーん……でもやっぱり気になるなぁ。あの人たちは、一体なんだったのだろう」

高島は疑問に思いながら歩いていった。

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