貴方とのキセキ
最終話 結婚式
この世界はクソッタレな世界と。
クソッタレじゃない世界と。
そんなものが入り混じっている様なそんな世界だ。
だけど.....俺はそのクソッタレな世界で花を見つけた。
俺を見守ってくれる花だ。
同居の様な感じで始まった生活だったが。
それから5年が経過した。
そして今日だが.....りーちゃんと婚約の予定が立つ。
「しかしあれだな。.....お前幸せになれよ。マジに」
「そうだな。舘島。世話になってるわ。お前には特に」
気にするな、と青年になった舘島が言いながら苦笑する。
この5年で様々な事が変化した。
八熊先生も好きだった先生と成就して婚約し。
それから舘島は.....何となーちゃんと付き合い始めた。
「数奇な運命だと思う」
「それは確かにな」
俺達は結婚式が終わった結婚式場の所で缶コーヒーを飲みながらそんな会話をする。
因みにだが.....舘島はずっと活躍してくれた。
こんな俺の為に、だ。
何に活躍したかといえばそうだな。
例えば結婚式の場とか。
そういうのを探してくれた。
「お前も幸せになれよ」
「俺は大丈夫だ。なーさんが幸せにしてくれるから」
「そうか」
「しかしお前が幸せそうで何よりだ。今日まで大変だったな」
「互いにな」
「まあな」
そんな会話をしながら俺は愛しい奥さんを待つ。
すると、よお、と声がしてくる。
背後を見ると八熊先生だった。
そして妊娠している八熊先生の奥さん。
俺は、先生。お世話になっています、と頭を下げる。
「お世話になってるよな?金くれ」
「先生.....最低ですね」
「はっはっは。こういう場でも笑わせるのが大切だからな」
「相変わらずね。あなた」
そんな感じで会話をしていると。
今度はまた反対側から声がしてくる。
やあ、という感じで。
そこに矢那先輩が立っている。
かなりの美人になった矢那先輩と.....凛子が居る。
「お姉ちゃん.....美人だったですね」
「はっはっは。あれならもう大丈夫だな」
「そうっすね。確かに」
「時に。.....君は本当によく頑張ったな。今の今まで」
「.....そんなに頑張って無いっすよ。幸せを掴むのは大変でしたが」
そうだな.....。
色々ないざこざがあったが。
君は乗り越えた。
そして今に至っている。
君を尊敬するよ、と笑みを浮かべて言ってくる矢那先輩。
というか.....矢那さん。
俺はそんな姿に照れ臭くなり頬を掻く。
素晴らしい結婚式だった、とも言ってくれた。
お前が頑張っているお陰だな、と舘島を見る矢那さん。
舘島はビクッとしていた。
「は、はい.....」
「尻に敷かれているなお前.....」
「うっせぇわ。舐めていると怪我するぞ矢那様を」
「それはもう仕えている身じゃね?」
俺は苦笑いを浮かべながら矢那さんをガードする舘島を見る。
そして前を見ると.....りーちゃん.....じゃなかった。
丁度俺の奥さんが来る所だ。
俺は、りーちゃん、と言いながら顔を上げる。
髪を結んで笑顔のりーちゃん。
「さーくん」
「よし。じゃあ予定通りにするか」
「予定通りって何だ」
「写真撮影するんだよ。みんなでな」
「ああ。マジか?じゃあ俺はイケメンに.....」
背後からなーちゃんが現れ舘島をぶっ叩く。
トイレに行ってた様だが。
それから、何言ってんの、と言いながら、そんな事しなくてもイケメンだし、と言うなーちゃん。
舘島は、おいおい.....、と恥ずかしがる。
「それにしても今日は良い天気になったな」
「そうだね。さーくん」
「.....それは確かにな」
「この子も喜んでいるわ。皆さん」
お腹を摩る八熊先生の奥さん。
俺はその姿を見ながら居ると.....りーちゃんが、私達もいつかはね、と赤面してから言った。
オイオイ!?
思いながら周りを見る。
周りも期待の眼差しになっていた。
一部だけは、この野郎、的な眼差しだが。
「そ、それじゃ写真撮る事にするぞ。皆さん」
「あ。話を誤魔化した。逃げたなハゲ」
「お前黙れ舘島」
「おう。やるか久々に」
俺と舘島はクスクスと笑う。
そして俺達は教会の屋上に集合する事にした。
透き通るガラスの先の階段を登ってから。
そのまま青空を見上げて写真を撮り始める。
「そういえば私はキスしてないよ?」
「へ?嘘ばっかり!?したじゃないか!」
「そうだっけ?じゃあ確かめる為にもう一回キスして?」
「冗談だろ.....」
そうして俺は苦笑する。
みんなも幸せそうなので。
意を決してキスした。
全くコイツは。
何も変わらない。
fin
将来の結婚を前提にお付き合いしていた女子と離れ離れになりそのまま時が過ぎました アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou
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