第31話 幸せのタイム

なーちゃんがりーちゃんを締め出した。

どういうこっちゃ、と思いながら俺は赤くなりながらりーちゃんを見る。

りーちゃんは理解した様に真っ赤になっていた。

俺はその姿を見ながら更に赤くなる。


「そ、そうだよね。私.....帰れない」


「そうだな。家に入れてくれるとは思えない」


「.....」


「.....」


どうすんのよなーちゃん。

考えつつ俺は汗をダラダラ流す。

そして食事の器を片すりーちゃん。

俺は?を浮かべてりーちゃんを見る。


「と、とにかく動いてないと暑い」


「.....?.....あ、暑い?」


「恥ずかしいの!!!!!」


「あ、そ、そういう事か。そ、それは.....手伝うよ」


そして片付けるのを手伝うが。

指が触れ合った時。

俺は慌ててそのまま横を見た。

その数秒後にりーちゃんを見たが。

りーちゃんも目を回していた。


赤くなって、だ。

そんな姿に俺は頬を掻く。

参った。

マジに参った、と。

そう考えながら。


「りーちゃん.....取り敢えずなーちゃんを説得しよう」


「無理だよ。お姉ちゃんは何時もあんな感じだし」


「.....そうだね.....」


じゃあ泊まるしかないのか?

思いながら赤くなる俺。

そしてりーちゃんは俺の手を少しだけ握った。

それから見上げてくる。

えっと。もし良かったら一緒に寝る?、と聞いてきた。


「馬鹿言うな!?」


「いや。割と真面目にだよ」


「いやいやいや!!!!?」


真っ赤になって真っ赤になる俺。

マジに暑いな.....確かに!

思っているとりーちゃんは俺の手を握った。

そして力任せに俺をベッドに寝っ転がす。

それから上から被さってくる。


「.....お、おい.....り、りーちゃん!!!?!」


「.....押し倒したら恥ずかしいね。普通は逆だけど」


「ま、まあそうだ.....じゃない!!!!!アホか!!!!!」


「エヘヘ。もうこうなったら.....全てを覚悟する」


そして俺の横に転がるりーちゃん。

俺はその姿に赤くなる。

ゆっくり俺に寄り添って来る。

見上げてきた。

胸の谷間が.....た、谷間が!!!!?


「り、りーちゃん。悪ふざけは止めよう!!!!?」


「私は悪ふざけじゃないよ。.....真剣。全て真剣」


「.....じょ、冗談だろ.....嘘だろ.....」


「これがふざけている様に見える?」


「.....!」


そこには大人の女性が居た。

俺は赤くなっていたが。

その.....俺も真剣になる。

それから俺はりーちゃんの頭を撫でた。

そして最後に頬に手を添える。


「.....りーちゃん。俺やっぱりお前が好きだ」


「私も愛してる。君を」


「.....またキスするか.....?」


「恥ずかしい」


「.....そだな」


全く、と思いながら見ていると。

俺の胸に指を立ててくる。

いじらしい感じで、だ。

いやいやその態度が困るんだが.....。

俺は思いながら慌てる。


「.....さーちゃん。私.....将来結婚するよね。.....どんな家族になろうか」


「どんな家族っておま.....まだ早いって」


「私は真剣だよ。だって.....何時も幸せだから」


「そ、そうか」


俺は真っ赤になりながらそのまま目の前の赤くなっているりーちゃんを見る。

困ったな.....本当に困った。

何でこんなに可愛いんだこの子。

俺はこれ以上に赤くなれないぐらい赤くなりながら。

そのまま.....りーちゃんの頭をしっかり撫でる。


するとメッセージが飛んできた。

それは.....なーちゃん.....。

おいコラ!!!!!

俺は思いながら困惑しながら見る。


(どうどう?今イチャイチャ?)


(人の迷惑も知らないでお前は.....)


(だってせっかく恋人になったんだから。これぐらいしないとねぇ)


(勘弁してくれ.....)


(でもイチャイチャしている姿が目に見える。アハハ)


私と付き合う予定だった分。

イチャイチャしてね、と言ってくるなーちゃん。

俺は顔を引き攣らせながらりーちゃんを見る。

りーちゃんは、どうしたの?、と言う感じで見てきていた。


「.....なーちゃんから。イチャイチャしてOK、だそうだ」


「もー!!!!!お姉ちゃんのアホ!」


「まあ良いんじゃないか。その分.....な?」


そうしているといきなりキスをされた。

俺は!!!!?と思いながら目をパチクリしてりーちゃんを見る。

エヘヘ。確かにそうだね、とりーちゃんは満面の笑顔になる。

そして、油断大敵、と言ってくる。


「お前な.....」


「この先も宜しくね。彼氏さん」


「.....それは止めろ。赤くなっちまう!」


「だって彼氏だし」


「オイ!」


確かにそうだけどな!?

だけど恥ずかしいんだよ!

思いながら俺は額に手を添えた。

そしてそのまま盛大に溜息を吐く。


困ったもんだけど。

でも本当に幸せだな、と。

そう考えながら。

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