第25話 花凛、布団にモフモフする

何が起こっているのか。

俺は理解に苦んだが。

今分かっている事を纏めたい。

つまり.....母親が違うがなーちゃんは父親が同じのりーちゃんの姉!?

俺は愕然としながら.....2人が帰った後に顎に手を添える。


「しかも俺はなーちゃんに告白して失敗していたのか.....」


そんな事を忘れているなんてな。

俺も大概ボケナスだな.....。

思いながら、幼い頃の記憶とはいえ、と思う。

そうしているとメッセージが入った。

俺は直ぐに携帯を見る。


(黙っていてゴメンね)


(衝撃だが話をしたく無い事もあろうからな)


(そうだね。でも今になってゴメンなさい。私は好かれる訳にはいかなかったから)


(何故そんな感じなんだ?何か理由が?)


(簡単に言うと私は不幸な人間だから。母親もきっと私のせいで死んだしね)


俺は激昂した。

そして、そんな訳あるか!!!!!、とメッセージを強く送る。

俺が愛しているなーちゃんが?!そんな訳あるか!

死神って言いたいのか!、と。


(さーくん。有難う。そう言ってくれて)


(だろ。ああそうだ。りーちゃんの調子はどうだ)


(ショックを受けているけど嬉しそうに私に話をしてくるよ。大丈夫)


(そうか。で。これからどうする?誕プレとか)


(ああそうだね。明日でもで.....じゃなくて買い物に行こうか)


なーちゃんは一切、恋愛に関して話さなくなった。

俺はその言葉に、デートな、と告げると。

なーちゃんは、それで良いのかな、と返事を寄越した。

仮にも俺はお前に恋をしていた。だから大丈夫だ、と返事を書く。


(な?)


(そうだね。確かにそうなのかもしれないね)


(それにこれでお前とりーちゃんは同じ関係だと思うぞ)


(それはどういう意味?)


(同じもの同士って事だ。つまり同じ傷を持った絆を持ったって事だ)


その言葉に数秒だけ会話が途切れる。

それから、そうなのかな、と返事が来る。

俺はその言葉に、ああ、と強く返事をする。


これからはライバル同士だけど傷を癒していける筈だ、と。

すると数秒また途切れて返事が、有難う、になった。

泣いているのだろうか。


(じゃあ負けない。凛花に)


(そうだな。その意気だ。頑張れ)


(明日はデートだね。じゃあ)


(そういうこったな。ああそうだ.....えっと。誕プレな。日記帳を送ろうと思うんだ)


(日記帳?)


アイツ.....日記を最近書かないけど昔は日記書いてたからな、と笑みを浮かべる。

そして思い出しながら空を見上げた。

すると、それ良いかもね、とメッセージが来る。

私はどうしようかな、とも。


(お前はお揃いの何かを買ったら良いんじゃないか)


(姉妹という事で?)


(そうだな。そういう意味ではどうかな)


(確かにね。良いかもしれない!有難う。さーくん)


(ああ。気にすんな)


それから、じゃあお休み、とメッセージがあり。

俺達は寝る事にした。

のだが.....夜中にとんでもない事が起こった。

それはお隣同士だから出来る事かもしれんが.....。



「何やってんの!?」


「エヘヘ。さーちゃんの寝姿見ていたら何だか潜り込みたくなっちゃった」


「だからと言って鍵を勝手に開けて入って来るなよ!?」


「エヘヘェ.....」


目の前の布団の中。

そこに.....さーちゃんがこっちを見て潜り込んでいる。

何時の間に来たんだコイツ!?

俺は愕然としながら真っ赤になりその姿を見る。

もじもじと上がって来る。


「.....私ね。考えたの」


「.....な、何をでしょうか」


「なーちゃんとりーちゃん。私達と結婚したらそれで丸く収まらない?」


「.....そんな無茶苦茶な.....」


「.....でもそんな感じになってきてない?何だかんだあって」


まあ確かにな。

でも日本じゃ結婚出来るのは1人だもんな.....。

俺は考えながら.....顎に手を添える。

そして見ているとスリスリとしてきた。

ゾクゾクッとするぅ!!!!!


「ちょ!マジ止めて!りーちゃん!恥ずかしいよ!!!!!」


「えー?止めなーい。だって好きな人だから。アハハ」


「.....いやいや.....」


「.....でも良かった。私のお姉ちゃんと再会出来て。しかもそれだけじゃ無くて.....私.....もっとお姉ちゃんと絆が深まった気がするから」


「.....!」


私.....祈っていた。

ずっと祈っていたから。

全部が幸せになります様に、って。

だから.....幸せだよ、と思う、と話す。

俺はボッと赤面する。


「.....お前には敵わないな」


「そうだね。でも大体恋する女の子や優しい女の子はみんなこんな感じだよ?アハハ」


「.....そうだな」


「.....ねえ。さーちゃん」


「.....何だ」


「今でもお姉ちゃんが好きなの?」


その言葉に上手く言葉が出て来ない。

俺はそう考えていると。

実はね。お姉ちゃんと話したんだけど、と切り出したりーちゃん。

それから、タイムカプセルをもし見つけたら壊そうと思う、と。

俺は見開く。


「.....それで良いのか。お前は」


「.....うん。駄目だと思った。こんなので運命を決めるなんてね」


「.....分かった。.....これからはこれからだしな」


「だね」


それから俺達は寄り添って.....って何でや。

このままではキスが出来るぞ!

勘弁してくれ.....。

俺は思いながら赤面しつつ。

空を見上げた。


「そういえば空見るの好きだよね。さーちゃんって」


「そうだな。何だか幸せを願えれそうな気がしてな」


「.....そうなんだ。.....優しいね」


「.....そうかな。俺は何時も通りだと思うけど」


「.....いや。絶対に優しいよ。アハハ」


そして俺の胸に縋ってくるりーちゃん。

スウスウと俺の胸の香りを匂うりーちゃん。

嗅ぐなよ、と思ってしまうのだが。

思いながらも.....りーちゃんの頭をつい撫でてしまった。

ほうっと優しげな息を吐くりーちゃんを見ながら笑みを浮かべる俺。


「.....頑張ろうね。また学校」


「.....そうだな」


「.....3人と一緒ならもう何も怖くない」


「だな」


そしてそのまま俺達は寝てしまった。

それから翌日になって。

#を浮かべているなーちゃんに怒られた。

全くもう!、と言いながら。

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