引っ越して来る日

第21話 凛花、風邪を引く

瀬奈は中華料理を作ってくれて.....まあ半分は冷食だけど.....頑張ってくれた。

それから家に帰って行く。

その姿を見送ってから.....そのままラップにかけられた料理を見る。

相変わらず可愛い盛りかただな、と思う。

瀬奈らしい個性があるというか。


「.....食べるか」


それから俺は食事をしてから.....ってか上手になってんな。

俺は考えながらそのまま最初も最後も手を合わせてから俺はそのまま横になる。

そして天井を見上げながらそのまま.....ウトウトしてしまった。

そのまま寝てしまった様だ。

歯を磨かなくては。



『朝よ。あなた』


『.....んあ?あなた.....って?』


目覚めると。

そこにピンクとオレンジのエプロンを身に付けた2人が居た。

しかしその姿はかなり成長している。

所謂20代後半ぐらいに。


俺は?!と思いながら手を見る。

何と俺まで成長している。


『ちょっと待て!?どういう事だ!?』


『何って。結婚したでしょ。私達と』


『結婚!?嘘だろお前!』


『うん。でも私はお手伝いだよ?貴方が結婚したのはーーーーーじゃない』


『は?.....は?』


俺は聞き返すが。

そいつが言っている名前が聞き取れない。

???と思いながら見つめる。

影も朧だ。

だから.....そいつは声も何だか鈍っていて誰かも分からない。


『君がーーーーーと結婚して幸せだよ。私』


『そうだね』


『俺は.....誰と婚約するんだ?』


『教えないよ』


『だね』


そう言いながら。

俺は目が覚めてから.....天井を見上げる。

朝では無いが真夜中になっていた。

ゆっくりと俺は起き上がる。

それから俺は窓から外の景色を見る。


「どういう夢なのか.....」


そんな事を呟きながら空を見上げる。

しかし困ったな。

寝れなくなってしまったでは無いか。

思いながら俺は窓を開けて小さな柵に身を寄せる。

暑い日々だ、と思いながら。


「もう直ぐ7月だな.....」


7月1日はカラオケ屋で祝ったけどアイツの誕生日だ。

りーちゃんの。

当日になったら盛大に祝おう。

思いながら俺は空を見上げてみる。

虫の鳴き声がする。


「こういう風流もオツだな。.....ハハッ」


言いながら俺は暫く外を見てから。

夢の事を考えていた。

誰だったのだろう。

俺が結ばれる将来の相手は?

そう考えながら外を眺めてみる。



翌日になった。

今日は日曜日だ。

俺は荷物を運んでいた。

誰のかと言えばりーちゃんの荷物である。

今日引っ越して来るらしく。


「いやー。すまないね。兄ちゃん」


「いえ。こんな俺で良かったら役に立ちたいです」


「アッハッハ。根性あるね。君」


引っ越し屋さんからそう言われて照れる俺。

目の前を見るとりーちゃんがニコニコして見守っていた。

俺はその姿に柔和になりながらりーちゃんを見る。

りーちゃんが先ず引っ越して来てから。

そして次に瀬奈がこの場に引っ越して来る形になるらしい。


「有難うね。さーちゃん」


「気にする事は無いぞ。お前の荷物だしな」


「おう!兄ちゃんお前なかなか根性あるじゃねーか!ガッハッハ」


「そうっすかね」


「ああ。そう思うぜ」


工事のドカタの様な男性2人にそう言われながら。

そのまま荷物を運び入れてから。

そして2人の工事のドカタの引っ越し屋さんは帰って行った。

手を振りながら、だ。

それから俺とりーちゃんが残る。


「で、どうしようか。りーちゃん」


「.....そ、そうだね。.....じゃあお部屋を片付けようかな」


「ああ。じゃあ手伝おうか」


「そうだね。お願いしても良い?」


「じゃあ重たい荷物は任せて」


りーちゃんはゲホッと咳した。

俺は?を浮かべて、大丈夫?、と聞くと。

うん。大丈夫。実は.....水族館に行ってから何かうつされたみたいで.....、と言い出して体を震わせる。

え?、と思いながら俺は直ぐにりーちゃんのおでこに手を添える。

熱があった。


「いやいや!!!!?何で今日引っ越して来たの!?」


「早く君の隣に立ちたかったから。だから.....無理しちゃった。夏風邪みたいだね」


「.....ったくお前は!」


俺はお姫様抱っこした。

ふあ?、とりーちゃんが真っ赤になって反応して暴れる。

だがそんな事も無視で俺の部屋の布団に寝せた。

全くコイツという奴は。


「や、止めて.....私は大丈夫だから.....」


「馬鹿かお前は。鍵を貸せ。俺が整理するから」


「む、無理だよ。さーちゃんには」


「お前の妹にも連絡する。全くお前は.....心配するぞ絶対に」


「うー.....さーちゃんの意地悪」


喧しいわ。

こんな重症でほったらかしにするお前の方が如何なものかと思うぜ。

俺は思いながら布団を被せる。

それから、ほら。これ体温計な。それからこっちは冷えピタ。貼るぞ、と俺は看病モードに入る。

それから電話する為にスマホを取り出す。


「良いって.....凛子に.....電話しなくて」


「お前な。そう言うが目が回ってんぞ。良い加減にしろよ。どんだけ熱出てんだよ」


「そ、そんな事無いもん.....」


言う割には汗が噴き出ている。

顔も真っ赤だ。

じゃあ額と額をくっ付けてみるか?相当違いがあるぞ、と言うが。


そんな言葉に、い、いやそれは、と慌てる。

それから冷えピタをくっ付けるりーちゃんを見ながら。

そのまま外に出た。


「もしもし。凛子か」


『はい。どうしたんですか?お兄ちゃん』


「お前の姉ちゃんな。風邪で熱があるんだが。これはどうしたものか」


『.....えぇ!!!!?嘘でしょ!?.....分かりました。直ぐに行きます!!!!!』


超特急で色々と買って行きます!、と声がした。

それから電話がブチッと切れる。

そして俺はスマホを直してから後ろを見る。


熱でか苦しそうに、はぁはぁ、と言い始めた。

どうしたもんかな、と思いながら俺は部屋に戻ってから風邪薬を探す。

戸棚の中だったよな?確か、と思いながら。

すると。


「.....さーちゃん」


「.....何だ」


「から.....だをその、拭いてくれるかな」


「.....お前何言ってんの?」


「汗でベトベトなの.....お願い.....」


真っ赤に赤面しながら俺は見開く。

馬鹿な!?、と思いながら見る。

すると起き上がったりーちゃんは上半身を脱いで下着姿になった。

俺は、マジかよ.....、と思いながら布を持ってくる。


「お前.....冗談だろ.....」


「だって拭く人が君しか居ない.....は、恥ずかしいけど.....ま、真面目に寒いの」


「.....分かった。俺は目を隠すから。それで良いか」


「そ、そうだね」


赤くなっているりーちゃんはそのまま下着をはず.....オイィ!

今外すな!!!!?、と思いながら俺は慌てる。

これは困った事になってきた.....!

早く来い!凛子ォ!

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