瀬奈という人間と凛花という人間
第10話 君への(君へ)最大の想い(改訂)
しかし、約束、か。
俺は凛子ちゃんの言葉を思い出しながら親子丼を食べつつ窓から空を見る。
この親子丼は卵も絶妙で味が染みている感じだ。
俺好みの味付けである。
所謂.....絶品の親子丼であるのだが.....。
だけど感じている味は若干複雑に感じてしまう。
それはそうだろうな、とは思える。
凛子ちゃんに言われた事が引っ掛かっているからである。
付き合ってほしい、か。
「.....それに守ってほしい.....か」
俺は凛子ちゃんが居なくなった部屋を見渡す。
そして皿と丼を片してから横になった。
そして暫く目を閉じて考える。
この先.....どうなーちゃんと。
りーちゃんと付き合っていくのか.....。
「やれやれ。.....俺も大概だな。こんな事を考えるなんざ」
そう思いながら俺は起き上がる。
それからやれるだけの家事をしてからそのままシャワーを浴びた。
そうしてからそのまま歯を磨いてそのまま寝る。
すると。
☆
『ねえ!起きて?起きてってば!』
『起きて。ねぼすけさん』
『.....んあ?』
俺はそんな声に釣られて起き上がる。
それから見渡すと何故か俺は.....何も無い草原地帯に居た。
それどころか身体も声も幼い感じだ.....え!?
俺はビックリしながら目の前を見る。
そこに.....2人の幼い少女が立っていた。
片方は長い髪型。
そしてもう片方は短い髪型。
俺は?を浮かべながら目を細めるが。
詳しい顔は見えない。
スカートを履いている彼女達の顔が分からない。
こんなに至近距離に居るのに.....誰なのか。
俺はもう一度、眉を顰めるが。
太陽に反射して彼女達の顔は窺い知れなかった。
だがこんな事を言ってくる。
『ねえねえ。さーくん』
『な、何だ。お前誰だ?』
『あれ?忘れたの?私だって。なーちゃんだよ』
『そういう私はりーちゃんだよ!』
俺は耳を必死に傾けるが少女達の声は遠い。
ギリギリそう聞こえた。
頷き合いながら俺を起こす。
それから周りを見渡す仕草をする2人。
そこには幼稚園と小学校がある.....。
太陽幼稚園。
それから月光小学校と書かれ.....え?
これは俺の母校じゃないか?
俺は思いながら2人に聞いてみる。
幼いなーちゃんとりーちゃんは顔を見合わせて、ねー?、的な感じを見せる。
『私達は愛を深めて一緒に居るからね』
『そう。いつでも君の側に居るから。幼馴染としてね』
『.....!』
『私達は君の側で輝いているから』
『だね!』
応援しているからね!、と笑顔を浮かべる2人。
そしてパアッと顔が見えた。
俺はその姿を見ながら驚愕する。
2人は.....確実な絆がある様に見えた。
俺は思いながら立ち上がる。
この空間はまるで造られた空間の様だった。
それから明るくなっていく。
太陽が燦燦と言う感じではないが何か光があって、だ。
俺は周りを見渡していると。
2人は俺の手を右と左で握った。
それからそのまま幼い顔で笑顔を見せる。
そしてこう最後に呟いた。
『私(私達)は常に君のもとに』
『.....!』
そしてそのまま思いっきり全てが光り輝いて俺は自室で目が覚めた。
ちょっと待て今のは夢か?
俺は思いながらゆっくり起き上がると。
何故かなーちゃんとりーちゃんが一緒に台所に居た。
俺を見て、あ。おはよう!、と言ってくる。
「あ、ああ。おはよう.....ってお前ら入り浸る様に来るな!?」
「それはまあ.....」
「心から恋している人だしね」
そんな事を言う2人に俺は溜息を吐く。
そして.....ぼんやりとさっきの記憶を読み解く。
それから俺は顎に手を添える。
そういえば.....小学校時代に確か滑って転んで目の前の氷で額を切ってから大怪我した女の子が居た。
「その時から水が怖いのか.....」
「どうしたの?さーちゃん」
「いや。ちょっとな」
俺は言いながら起き上がる。
それからなーちゃんを見つめる。
なーちゃんは?を浮かべて俺を見ている。
俺はそのなーちゃんの顔をじっと見た。
そして呟いてみる。
「なーちゃん。今も水は怖いか」
「!.....そうだね。うん」
「お前も大変だな.....」
「.....でもその事は君のお陰で.....軽くなっているから」
俺は、そうか、と言いながら見る。
そしてなーちゃんは笑顔を浮かべ俺を見た。
それからスカートを翻す。
満面の笑顔を浮かべた。
「私は絶対にこの恋愛バトルに勝つよ」
「.....そうか」
「.....なーちゃん.....」
なーちゃんは笑顔を浮かべる。
そして俺に向いてくる。
俺はその姿を見ながら、本当に強いな、と思いながら見た。
そして笑みを浮かべる。
「なーちゃん」
「何?」
「お前の事.....見直した」
「.....有難うね。.....うん?でもいきなり何でこんなになったの?」
「.....夢を見た」
「.....夢?」
ああ。夢だ。
お前らの幼い姿を見たんだ、と柔和になる。
その言葉に2人は見開く。
そして柔和になって、そうなんだ、と言ってくる。
「その夢でまたお前らの事を改めて見直したよ」
「.....そうなんだね」
「何だか何もしてないのに有難い事だねぇ」
「.....そうだな」
なーちゃんは柔和な顔をする。
そして俺を見てくる。
えへへ、と言いながら俺の手を握る。
全くな、と思いながらもまた愛しいと思ってしまった。
なーちゃんは、好きになった彼には許嫁が居るから駄目だって話になっていたの、と言ってくる。
その後に私が許嫁になっちゃったけどね、とも。
「私はなーちゃんと仲良くしたい.....けど」
「.....私だって仲良くしたいけど.....」
「.....」
でも互いにライバル同士だね、と真剣な顔をしてニコッとする。
俺はその姿を見ながら苦笑しながら俯いて笑みを浮かべる。
そして、よし。飯食うか、と笑顔を浮かべた。
その言葉に、そうだね、と2人は顔を見合わせて笑顔を浮かべる。
俺はその顔を見れただけでも満足だった。
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