第27話 渡し守

渡し守は動かない。いくら積んでもダメ。綺麗な花を渡しても、身の上話をしても無理。お母さんに会いたいだけなのに。諦めて翼を広げて川を越えようとすると、渡し守が慌てて私を捕まえた。「川を渡るってのはそういうことじゃない」私を描いて生んだお母さんが、川の向こうで手を振る。生きて、と。

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