第2話 真似をしたらダメ
やぁ、みんな元気かい? 俺はお陰様で元気だよ。少々厄介な事になっているけどね。
えっ? 今度は何だって?
いや、なんて事はない。お金を下ろそうと銀行にやって来たのだがそこに銀行強盗がやって来ただけだ。
何でそんなに落ち着いてるのか?
それはもう銀行強盗に遭遇するのは6回目だ。君達も一度くらいは経験した事あるだろう? 流石に初めてだと慌てもするだろうが慣れてくるもんだぞ?
それにこんな時は騒がずにおとなしくしとくのが一番さ。みんなは騒いでるがこれは経験の差だな。
しかし、犯人も何を考えてるんだろうな? こんな事をしてもすぐ捕まるっていうのに。
おっと! そんな事を言ってる間にパトカーのサイレンが聞こえるな。お早い到着だな。
むしろ早すぎるよ。まだ犯人逃げてないから俺等が危険な目にあってしまうじゃないか。犯人は銃持ってんだぞ? 俺には本物かどうか分からんがな。
まぁ俺は運がいいから人質にはされないだろう。
とは言ってみたもののこの中に居る時点で人質になってるか。
まぁそんな冗談みたいな事はいいとして犯人が逆上して女性1人を捕まえて銃を突きつけたじゃないか。
ん? あの女性は純白パンツのお姉さんじゃないか!
えっ? 何で知ってるのか?
銀行強盗が来る前にあのお姉さん派手に転けたんだよ。その時に俺の位置からはばっちり見えたのさ。運がいいからな。
しかしこのままだと純白パンツのお姉さんが危ない。俺が人質を代わってやろう。純白パンツを見せてもらったお礼だな。
ん? 俺が危ないって? 心配してくれてありがとよ。まぁ運が良いとはいえ死ぬ可能性もあるだろう。
だが今は純白パンツのお姉さんを守らないといけない。だって純白だぞ? きっと心も綺麗なはずだ。
しかし俺が犯人に人質として名乗りを上げたら怪しまれた。
まぁ当然だな。好きで人質を代わる奴なんてそうそういない。いるとしたら警察関係とか職務を全うするような人だろう。他にはこの銀行の支店長とかか?
俺としても『純白パンツを見せてもらったから』とか言えるはずがないのでとりあえず『女性を人質にされてるのは見てられない』と答えておこう。
そしたら犯人に『うるせぇ』とこっちに銃を向けられた。今にも撃ちそうだ。
おっと! 今回ばかりは俺の運も通用しないか。まぁそういう時もあるだろう。これもまた運命さ。
犯人は銃の引き金引いた……みたいなのだが弾丸は発射されない。どうやら弾詰まりしてるみたいだな。
弾丸が発射されないと分かると近くの男達が犯人を取り押さえた。安全だと分かると動けるもんなんだよな。
これでもう安全だ。しかしみんなは人質を代わるなんて真似をしたらダメだぞ? 勇気があって良いとは思うが、これは運のいい俺だから助かったんだ。
それからすぐ警察が入って来て犯人を連れていった。
俺は人質になってた女性から感謝されお礼にとケーキまで買って貰えた。
結果だけをみたら俺は純白パンツを見せてもらった上にケーキまでもらっている。
やはり俺は運がいい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます