第3話 女好き?
ある町に降りた時――――
「ねえ、ねえ彼女、可愛いー。いくつ?」と、光河。
「えーー」と、女の人。
「ねえ、名前、何?」
ドカッ
バッグで光河の頭を打つ。
「ってー!」
「用心棒!あんたねーー女のケツ追いかけてんじゃないわよ!」
「えーー、20歳の俺に、女のケツ追いかけるなっていうのが無理、無理!それに用心棒している人、何も求めさせてくれないし」
ムカッ
私の事情を軽く知っておきながら言う言葉に腹が立つ。
「悪かったわねっ!」
ゴロゴロ
雷が鳴り出す。
「今日は一雨きそうだね。この町の何処かに宿でも見付けて泊まらなきゃ」
「あそこにある所どう?」
光河が言った。
「……いや…あそこは…」
古ぼけた宿は、かなり怪しくて仕方がなかった。
「でも、このままじゃ」
「…そうだけど…」
そして、交渉に行く光河。
私も渋々、後についていく。
「一人部屋が良ぃ……」
「いいよ、2人部屋で。ただし、手出しは禁止だからねっ!」
「はいはい」
そして部屋に向かっていると――――
「きゃあああああっ!!」
つい光河に抱きつく。
「ゴ、ゴ、ゴキ…ゴキブリーー……!」
「…もう向こうに行ったけど?」
バッ
離れる私。
そして、部屋に移動する。
「………………」
まあまあの部屋ではあるが、こういう環境に慣れていないせいか、正直、好ましくない。
だけど、基元家の屋敷に戻るまではこれを習慣付けさせないといけない。
私は横になるものの落ち着かない。
「愛、大丈夫?」
「…うん……まあ…」
「…………………」
「添い寝してあげようか?」
「け、結構です!何されるか分からないから!」
「本当、警戒心強いね」
「当たり前でしょう!?」
そして、頑張って眠るも途中、目が覚める。
「…愛、どうかした?」と、光河が尋ねた。
「ううん…ごめん…何でもない…」
「………………」
その後、眠りに入るも寝た気がしないまま、私は目を覚ます。
そして、町を後に船を出した。
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