チザーレ周辺国家一覧

[アルマニア帝国勢力圏]

①チザーレ公国

首都:メディオルム

面積:約2万平方キロ

人口:130万人

兵力:歩兵4000人・騎兵200騎

 大陸中南部、ヴィターリ半島の付け根に位置する小さな自治公国。フォルニカ大公家が代々治める国で、アルマニア帝国によるヴィターリ半島進出に際して臣従の意を表し、周辺諸国進攻の案内役を買って出たため小国でありながら皇帝によって厚遇され、独自の軍隊を持つことまで許されている。

 最近まで農業国であったが、改革派のベランゼ・フォルニカが大公になってからは、帝国からの支援を受けた上で商業に力を入れるなど国の方向性を大きく転換。これはある程度成功し、首都メディオルムを中心に近代化を成し遂げた。

 しかし、商業特区の設置を行うために軍を用いて農地を接収するなどかなり強引なやり方も用いて改革を行ったため国内の地主など保守派から猛反発を買い、更に大公の父であったフランカら大公家の一部も保守派と組んで反大公派を結成しクーデターを起こすなどお家騒動に発展。これは『メディオルムの血浴』と後に呼ばれる事件に発展し、当時宮殿を離れていた第一公女クレアを除く公室が全員死亡する事態となった。女性の公位継承は許されなかったため、公国評議会は断絶を防ぐために宗主国である帝国から庶子を新たな大公として招くことを決定。

 新大公として帝室から送られてきたハンスは、改革派の首領と目されるバロンドゥ子爵家当主のレルテスと結んで反帝国の動きを見せ内乱にも関与していると目されていた保守派を粛清。内乱を鎮圧した後に成立したハンスと彼を支持する改革派貴族による国内改革が行われており、内政だけでなく外交においてもケルンテン辺境伯領を通じて東方の隣国であるシェーン諸邦連盟に接近するなど独自の動きを見せている。

 軍事的にはおよそ4000人の常備軍と各貴族の私兵が存在している。


②アルマニア帝国

首都:オットーブルク

面積:約90万平方キロ(属国等は含めない)

人口:2200万人(属国等は含めない)

兵力:歩兵50万人・騎兵4万騎(正規軍のみ)

 大陸中央部に位置する大国。当代の覇権国家と目されているが、その領土および勢力圏の広大さゆえに周辺諸国とはほぼ例外なく領土問題を始めとする外交問題を抱えており、文化的に近いシェーン諸邦連盟を除いた全ての国が仮想敵国となっている。

 チザーレ公国やレトリア公国など多くの属国を持つほか、西方のシャンパーニュ王国との国境に設置されたエスターアルマニア軍政国境地帯や東方のワラシア貴族共和国との国境に設置されたオストアルマニア軍政国境地帯、北方のベルナドッテ連合王国との国境に設置されたノルデン軍政国境地帯など敵国との国境には軍司令官による軍政地帯が置かれている。

 国内では皇帝一族を頂点とする貴族が特権階級として絶大な権力を持っており、『貴族に非ずんば人に非ず』といった貴族至上主義が蔓延している。周辺諸国との軍事的緊張の増加に伴う軍事費の増大や、占領地における反帝国運動の活発化、現皇帝アウグスト3世の体調悪化に伴う皇太子オスカーと第三皇子ヴィルヘルムの二者を中心とする宮廷闘争の激化など帝国が不安定化する要因は枚挙に暇がなく、アウグスト3世崩御の暁には帝位継承争いに端を発した内戦への発展が危惧されている。


③オストヴィターリ帝国弁務官区

首府:アンコーネ

面積:約10万平方キロ

人口:300万人

兵力:歩兵2万人・騎兵1000騎(帝国駐屯軍も含む)

 チザーレの南、ヴィターリ半島中部を領土とするアルマニア帝国の植民地国家。独立を保障されたチザーレ公国やシェーン諸邦連盟が事実上支配するピストリア公国、大陸で広く信仰される『聖教会』の総本山であるパラティーノ法王領などを除いたヴィターリ半島の大半を統治しており、領内は帝国から派遣された16人の弁務官がそれぞれ統治する州に分けられている。

 帝国の政治情勢が不穏なものになりつつあることに前後して、飢饉による食糧不足や弁務官区設置前に存在したヴィターリ諸領邦国家の残党である独立主義者による分離活動、南ヴィターリ及びエリミア島を支配するティレニア王国による国境での軍事活動などの要因で情勢が不安定化している。


[シェーン諸邦連盟勢力圏]

④シェーン諸邦連盟

首都:なし(事実上の首都はツェスライタニア王国首都ベルデヴェール)

面積:約60万平方キロ

人口:1400万人

兵力:歩兵30万人・騎兵1万5000騎

 アルマニアの南東に位置し、チザーレと国境を接する連邦君主制国家。ツェスライタニア王国・ウンガルン王冠領・チェヒア=モラビア連合公国の3つの国家をツェスライタニア王が代表するという形の国家を形成している。アルマニアの友好国ではあるが、かつて連盟に加盟していたエガラント辺境伯領で帝国の手引きによる家中クーデターが起き、連盟を離脱し帝国に編入されたことに起因する領土問題を抱えている。

 かつては帝国と並び貴族主義の強い保守的な国であったが、諸邦連盟全体の元首である盟主を決定する『盟主選挙』において代々盟主を務めていたリカルディ家が、劣勢を巻き返すために平民への官職の開放を決めたことをきっかけに貴族主義の退潮を始めとする改革的な動きが見られ始めている。

 ヴィターリ西部にリカルディ家が治めるピストリア公国が存在し、同国とは諸邦連盟軍が駐留するなど事実上の国家連合を結んでいる。


⑤ピストリア公国

首都:フィレニツァ

面積:約2万5000平方キロ

人口:180万人

兵力:歩兵3万人・騎兵1000騎(諸邦連盟駐屯軍も含む)

 ヴィターリ半島中西部に位置する国家。リカルディ家の分家が支配している関係で、諸邦連盟軍が多く駐留している。

 事実上の統治者となっている第一公女マティルデは病床に臥している大公に代わり統治権を掌握すると自らを支持する貴族や軍、そして本国と協力して反対派貴族を粛清するなど辣腕を振るった結果国内を完全に平定。現在は第一公女と有力貴族の連合政権が執政を行っている。


[その他]

⑥カルニラ侯国

首都:ピサーノ

面積:約1万平方キロ

人口:50万人

兵力:歩兵7000人・騎兵500騎

 ヴィターリ半島東部に位置し、チザーレと諸邦連盟に挟まれた小国。元は諸邦連盟に加盟していたが、周辺貴族領と紛争を起こしたため追放された。現カルニラ侯のマイナルドは軍備拡張に励んでおり、僅か50万の国民に対して7000人の常備軍を持ち、更には傭兵隊を多く雇い入れるなど軍事一辺倒の政策を取っている。


⑦パラティーノ法王領

首都:カンヴィル

面積:約1万5000平方キロ

人口:50万人

兵力:歩兵5000人


大陸で広く信仰されている宗教である『聖教』の最高指導者である法王が支配する宗教国家。

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