栞のサプライズ
あれから、一週間が過ぎた。
俺と星は、栞に呼ばれて、閉店間際の詩音の店に来ていた。
「久しぶりだな。」
「明日から、
「わかってる」
そう言って、笑った。
「久しぶりだね。二人とも、元気だった?」
「詩音、久しぶりです。元気です。詩音は、大丈夫ですか?」
「俺は、大丈夫だよ。あれから、椚もうまくやってくれてるしね」
そう言って笑った。
「色々あったけど、椚ちゃん選ぶとはね」
栞が笑って言ってる。
「まさか、だった?」
「そう、まさかだった。」
「トイレ行ってくるね」
俺は、立ち上がってトイレに行く
キッチンの近くを通ると、椎名さんと椚さんと数名のスタッフが片付けをしてる。
椎名さんが、椚さんに話しかけてる。俺は、またあの場所で聞いてしまった。
「12時ピッタリじゃなくてよかったんだな。珍しく」
「閉店してからで、よかったみたいですよ。」
「最近、椚のケーキさらに美味しくなったって話、お客さんから聞いたけど彼女出来た?」
「出来ませんよ。俺は、モテないですから…。そう言う椎名さんは?」
「ああ、俺。明後日、つっちーと合コン。昼間するんだよ。」
「塚本さんとですか。そうなんですね」
そう言って、椚さんは笑ってる。
「後、オーナーの彼氏だったやつ来てるよな。結局別れたみたいだけど」
「何で、別れたって知ってるんですか?」
「つっちーが、オーナーが彼氏と歩いてる所見たけど聞いた背格好があの人じゃなかったから」
「そうなんですね」
椚さんバレてなくてよかったね。
「やっぱり、美咲は見た目も綺麗だから結局は取っ替え引っ替えなんだろ?椚も気をつけろよ。狙われたら大変だからよ」
「オーナーは、俺を好きになりませんよ。」
「そんなのわかんないだろ?あの人男なら誰でもいいってみんな噂してるぞ」
「そんな人じゃないですよ。」
「椚、もしかしてオーナーが好きなの?」
椚さんは、好きだって言いたい気持ちを我慢してるようだった。
「トイレ行ってきます。ケーキ出すだけなので、皆さんお疲れ様でした。」
「お疲れ様、椚、明日もよろしくな」
「はい、椎名さんお疲れ様です。」
椚さんが、でてきた。
ヤバい、見つかる。
「お久しぶりです。」
見つかってしまった。
「どうも」
椚さんがトイレに行くのについていった。
「さっきの話聞きました?」
「少しだけですが…。」
トイレに入った。
「あの、詩音さんには言わないで下さい。」
「毎回、言われてるんですか?」
「まぁ、似たような事は、椎名さんじゃなくても他の人にも」
「何でですか?」
「よくわからなかったのですが、どうやら目撃されたからみたいですね。」
そう言って椚さんは、笑ってる。
「嫌なんですよね。ああ、言われるの」
「俺は、何言われたっていいんですけど。詩音さんが、誰でもいいみたいに思われてるのだけ納得いかないんです。」
「はい、これ」
俺は、椚さんにハンカチをあげた。
「泣いてますか?やっぱり俺。駄目だな。泣き虫で」
俺から受け取ったハンカチで、涙を拭いてる。
「あれから毎日言われてるんですね」
「まあ、そうですね。目撃されたからですね。俺だってバレないように、もっと気をつけます。」
「二人で、デートするのも大変ですね」
「目立ちますからね、詩音さんは」
そう言って、微笑んだ。
「ケーキ持ってく時間なので、失礼します。ハンカチ、また渡しますね」
そう言って、戻ってしまった。
俺も、席に戻ると椚さんがちょうどやってきた。
「ケーキ、お待たせしました。」
栞と麻ちゃんの前に、ケーキが置かれた。
「ありがとう、椚ちゃん」
栞がニコニコしてる。
誕生日では、ない。
「まやたく君達に触発されちゃった。出会った記念日は過ぎちゃったけどね。僕と結婚しよう。」
そう言って、指輪を渡した。
「はい」
麻ちゃんは、泣いてる。
「やった、成功!」
栞が、喜んでる。
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