第3話 もう一人の教会員
「夢か……」
「先生、お目覚めですか?」
教会員の金丸さんがいた。
「なぜ、あなたがここに?」
「私は二重スパイだ」
「スパイ?」
「そう米国と中国の、ね。遺産は発掘出来た様で何よりだ」
「何が目的で……」
そう言えば英子さんと菊さんがいない。
「二人をどこにやった?」
飄々とした老人を睨みつける。
「おお、怖い。さすが選ばれた民の末裔だけあって貫禄は十分だ」
「そうか。父さんの言っていたことは」
「思い出した様だね。最後の神秘を」
「僕の苗字は秦。失われたイスラエルの民の末裔。そして、景教の総首教」
「我々中国はずっと探し求めていたのだよ。かつて唐帝国を繁栄させ、元帝国を築いた景教の後継者を」
つまり、中国の目的はラジエルの書と創始者の手紙、最古の景教の聖書の三つだ。
これらを以て世界の覇権を一気に奪い取る腹積もりなのだろう。
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