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「二人で抜け出そうよ」


突然の事だった。波留奈が僕の手を握って、楽しそうな笑顔で、意地悪な笑顔で、僕を連れて行った。あの時もそうだった。そして、今も。波留奈を好きになったのはあの時。でも今はどうも思っていない。あの時は中学校までの恋心。として閉じ込めておきたかったけど、それは無理みたいだ。


帰りのサービスエリアで流星群を見つけた。どうやら予測不能だった流星群で、それを見た人はごくわずかな人たちだけだという。これも何かの運命なのかもしれない。


塞がった片手のコーヒーカップの置き場に迷っていると、隣にいた花崗が空いているもう片方の手を握った。


相変わらず小さな手だった。ちょっと力を入れたらつぶれてしまいそうな手を、そっと握る。


そして、強く願う。


「波留奈と一生、そばにいれますように」


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