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そして迎えた当日、天気は晴れ、準備万端、気分絶好調!!
花崗は悠と同じ地元残りなので、二人で一緒に悠の借りたレンタカーで熱海駅まで向かうことにした。
花崗、波留奈、悠、そして智弘。四人は中学校時代に修学旅行での同じ班ということもあり、仲のよかったメンバーだ。当時の思い出話で盛り上がり、気が付けば熱海市に到着していた。
「あっという間だったね、数時間」
「ほんと。久しぶりに悠と話せて楽しかったなあ。運転おつかれさま」
「はいよお」
約束の時間になると、波留奈と智弘が二人で駅にいるのが見えた。助手席から花崗が手を振り、それに気が付いた二人が手を振り返しこっちに向かう。
「波留奈ちゃん久しぶりだね! 会いたかったよお」
「みかげえ、私もだよお」
花崗は車から出ると一目散に波留奈のもとへと向かい抱きついた。
「よっ、悠。元気してるか―?」
助手席側の窓から智弘が顔を出す。
「元気してるよ。智弘も元気そうでよかったよ」
「俺はいつでも元気よ。見てくれてるだろ? 画面越しに」
「毎日見てるよ。飽きるぐらいにね」
智弘は東京で活躍中のYouTuberだ。会社に所属し、今では街を歩けば声をかけられるほどになったという。
「で、大丈夫なのか? 身バレしないのか?」
「大丈夫さ。サングラスすればバレないって」
そう言いながら額にかけてあったサングラスを目元にかける。
三人は車に乗り込む。
そして話したかった衝動でか、四人はそのまましばらくの間話で盛り上がった。そして区切りをつけるように波留奈が
「とりあえず荷物をペンションに置きに行こう。ここにいたら一日終わっちゃうよ」
と、笑いながら言う彼女の言葉にみんなが笑い、車を走りだす。
あの時の時間が戻ってきたかのような感覚が、懐かしいようで、うれしかった。
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