第5話夏休み企画長野へ行こう①

東京のどこか分からぬ駅に集まり、田舎者1年生は電車で松本まで出た。わいわいがやがや。

更に松本駅からレンタカーで白馬を目指す。

昼飯は信州ソバを食べた。

1つのコテージに男6人、女4人が二泊する。

女組は2階と決められ、男子禁制の性なる、否、聖なる場所となった。

神谷はマイルドセブンを6箱買い、相方の久保田はラッキーストライクを1カートン買っていた。

初日は女組がカレーライスを作った。

和歌山ヒ素入りカレー事件があったばかりだが。

男は甲子園を観ていた。横浜高校の松坂は凄いと思った。

夜、カレーライスを食べながら、酒をしこたま飲んだ。


キャンプと言えば、ファイヤー。

薪を運んで、ライターで山下が火をつけた。

白馬は夜になると、8月でも寒い。

ライターを忘れた神谷は、火のついた薪にタバコを押し付け火をつけた。

それが良かったらしく、伊東も久保田も山下も桜井も佐々木も真似した。

伊東が言う。

「皆で火を焚いてビール飲みながら語るのに、女子は何をしてんだ?コテージに込もって!」

伊東は半分キレていた。

そこで、佐々木が言う。

「深田恭子の神様もう少しだけが、今日で最終回なんだって!」

と、漏らすと久保田が、

「山下に責任がある。あんな女ばかり集めやがって!まぁいい、皆でもう一度乾杯だ!」

酒が弱い桜井と山下は、レモンサワーを、他は缶ビールを手に乾杯した。


11時過ぎ、女どもが様子を見にきた。まだ、初日の夜だ。明日は、スキー場へ行く事になっている。もちろん、雪は山にしか無いが。

女どもは、杏露酒や梅酒で乾杯した。

火も小さくなり、皆の顔がうっすらと朱色に照らされているだけだ。

例え、晩夏と言えども寒い。

キャンプファイヤーの火をバケツの水で消し、残り火が無いか確認してからコテージへ戻り、麻雀が始まった。知らないヤツは教えてもらった。お金は賭けていない。

それは、朝の4時まで続き、交代でシャワーを浴びた。

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