第4話カッコいい
1年の野郎6人で川越の山下のアパートで酒を飲んでいた。
ウイスキーをコーラで割ったモノを皆でのんだ。教育学部の伊東がウイスキーをビールで割ってみようというので、皆、グラスにブラックニッカを入れ、スーパードライで割ってみた。
全員の顔色が青くなる。
神谷は一気飲みして、称賛されたがコーラをがぶ飲みした。
久保田はトイレでリバースした。
文学部の佐々木はタバコを吸わない。だが、周りに進められて黒くて長いタバコを持っていた。
「神谷君、このタバコ吸ってみて」
神谷はライターで火をつけ、煙を吐いた。
「カッコいい!」
「何が?」
「カミちゃんのタバコの吸いかたカッコいい」
「え?そうかい?」
神谷はアマチュアバンドのボーカルの佐々木に誉められて、嬉しくなった。
バンドのボーカルその方がモテるに決まっている。
山下も最近タバコを吸い始めた。マイルドセブンのエクストラライトを吸っている。久保田はラッキーストライクだ。
佐々木は経済学部の桜井にタバコの指南を受けていた。
同じ経済学部同士の山下と桜井はそんなに仲良くない。山下が桜井を小馬鹿にしているからだ。更に言えば、一番偏差値の高い、法律学科の神谷と久保田コンビは他の学部の連中を小馬鹿にしていたが、ユーモアがあり、仲間意識が強いので、この野郎6人は仲が良いのだ。
散々飲み明かし、終電を逃した野郎は朝までたむろして始発で帰宅し、シャワーを浴びて大学に向かった。
「ねえ、ジジイ。バイト代入ったからまた女子と飲まない?」
久保田はジジイに反応して、
「ジジイは余計なお世話だ。オレも給料入ったから、山下に連絡してみる」
髪の毛が金髪の神谷と真っ黒な久保田は、お笑いコンビのようで、バランスが取れている。
夏休みは長野の白馬へ行く事が決まっていたので、神谷は貯金を始めていた。
今週の金曜日に、東松山の白木屋で飲み会があり、二次会は神谷のアパートに集まる予定であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます