第47話 作戦会議……状況は良く無い
「さて、ならば話は早い……さっそく魔王を討伐__」
魔王討伐イベント……勇者が魔王を倒す。
単純明快な事だ、しかも今回の魔王はウジーザスと違い目の前で悪い事をされているから気兼ねない。
「いや、待って」
「?」
マスターはチラリとみやを見て話す。
「確かにネバーさんの力は強い……あの災害を一方的に倒したんだから魔王様を倒せるでしょう」
あぁ……まぁ……
実はあの時、いつもより力が増してたのは秘密にしておこう。
「だけど、『呪い』は甘く見ちゃ駄目です……呪いの中には“自分が死んだら奴隷も死ぬ”って言うのもあるんだ」
なるほど……自分が殺されない為に奴隷を人質にする。
普段なら友人などが騙されて奴隷にされた時、取り返す為にマスターを殺されない様に……とかか?
「なら____っ」
そこまで言って自分の口と心を静止させた。
今僕は__
____「みやを諦めてとっとと魔王を倒そう」と言おうとしていたのだ。
どうしてだろ……自分でもなんでそんな考えになったのかは分からない。
力を持つと暴力的な考えになるのか?
「?」
「……なら、私はマスターに従う」
「そう……だよね、ネバーさんは違う世界に居たんだから僕が考えないと……」
ごめんね。
ほんと、ここ最近自分の考えが分からないから任せっきりになる。
「だがどんな無茶でも作戦は必ず成功させる」
「うん」
「みゃ……ねむぃ……」
なんだかんだ夕方を過ぎてる時間だ、お子様は寝る時間なのかな?
みやはその場で猫の様に丸くなってすやすやと寝てしまった。
「……」
「……」
「ネバーさん」
「?」
「まず作戦を考える前に僕たちはお互いを知り合うことが大切だと思うんです」
「……」
「聞いて良いですか?」
マスターは俺に真剣な顔で聞いてくる。
「あの時……なんで人間が食べられているのに動かなかったんですか」
「…………お互い……と言ったな?」
「はい」
その返事も真っ直ぐだ。
「なら私もマスターに聞きたい事がある」
なら、お互いに腹を割って話そう。
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