第43話 蛇の国の魔王!……人間の手がかり!?
「ここから先はお前達2人だけで行け」
案内されたのは赤と金色の豪華な装飾がされた巨大な扉。
「いいのか?」
「何がだ?」
「魔王に対して危害を加えるのかもしれないぞ?」
「はっはっは、魔王様がお前達如きにやられるとは思わないが、万が一そんな事をした場合……世界を敵に回すと思え」
「……」
確かに……ここが人間の世界なら魔王と聞くだけで勇者は途中の魔族の村や町などを倒しながらレベルアップしていき魔王を倒すのが普通だ。
だが今の僕は勇者でも何でもない召喚者……マスターが魔族である以上迷惑はかけられない。
「気をつけるとするよ」
「では入れ」
そういうと扉がゆっくり開いていき__
「……!」
「魔王“白大蛇”様だ」
奥に見えるのは真っ赤な瞳に白い大きな蛇の頭。
もしかして……
「周りの身体は魔王の__」
そう言葉を漏らしてしまった瞬間、隣に立っているメデューサからの殺気を感じた……え?何か悪いこと言ったかな?
「魔王“様”だ」
……あぁ……それは確かに僕が悪い。
「失礼した」
そのやりとりを聞いていたのか巨大な蛇の口が動きだす。
「良い、お前は下がっていろ」
「御意」
蛇って声帯ないよね?だけどこの蛇はハッキリと口から低い女の人の声を出しているのが解る。
「近う寄れ2人とも」
「……」
「……」
マスターが歩き出したのでその後ろをついていき魔王様の前で2人とも跪く。
「顔をあげよ……人間」
……やっぱりバレてるみたいだ。
「どう言う理屈か分からないがお前からは人間の気配を感じないな」
と言うことはこのローブの効果は発揮してるのか?じゃぁ何でバレたんだろ?
「テイマーから召喚された者だからか?」
「!?」
そこまで解ってる!?まさか……この魔王も視える……のかな?
「して……貴様が此奴のマスターだな?」
「……」
マスターは何も言わずに片膝をついたまま頷いた。
「精神的な病、重症であるな」
うっそ……何でそこまで見破ってるんだ?
この世界の魔王の人たち怖い……
「ならばお前に話すとしよう」
大きな頭がこちらを向く。
「……」
「人間……貴様は“楽園”から来たのか?」
「!?!?!?」
楽園。
その場所に心当たりは無いが問題はその後の言葉だ……「来たのか?」と言った……その意味する事はつまり__
__この世界にもまだ人間が居る場所がある!
前の魔王は嘘を見抜く能力があった……返答はちゃんと考えてしないとな。
「……私はマスターによって召喚された…………召喚される前の場所を指しているのなら楽園という言葉とは程遠い場所だった」
嘘は言ってない。
「ほう?ならばあの噂は本当の様だな」
「その噂、聞かせてもらっていいか?」
「………………その前にディナーを頂きたいのだが、良いかな?」
おかしな事を言う……
話の途中って事もあるけどわざわざ魔王という階級を持ちながら僕達に承諾を得る?
そんなマナーなんか守らないで目の前でガツガツ食べてなんぼじゃない?
「構わない」
「入ってこい」
ん?入ってこい?
その言葉と共に先程入ってきた扉が開き__
「!?」
「!?」
____そこには6人
人間の少女達が裸で立っていた。
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