第41話 到着新たな魔王の国!
「と、言う事があったのだが……」
「……」
辺りは暗くなり始め夕暮れ時。
適当に捌いた……と言うか破いた蛇の肉を焼きながらマスターに川での出来事を話した。
「マスターの考えが何かあるなら無視してもいい」
「……」
それを聞いても何も喋らない。
なのでほんの試しだがあの言葉を口に出した。
「そのじいさんは“神の使徒”が言っていると__」
「__!?」
明らかに反応があった。
つまりマスターは面識があったのか?
「……行こう」
おぉ!マスターが喋った!
「了解した」
その日はそれだけしか喋ってくれなかったが、心なしか前より何か目的を見つけた目をした気がした。
________
______
____それから3日経ち
「これは……魔物か?」
「……」
俺達は奇妙な壁に遭遇した。
純白の鱗がぎっしりと詰まっていて果てしなく横長……高さは20メートルくらいかな?
だけど僕はその鱗に見覚えがあった。
「……蛇か?」
そう、何度か食べたことのある、捌いた事のある物だ。
結構美味しいんだよね。
「少し上から見てくる」
もしもこの蛇が生きているのなら大きさからして“災害”……伸び切った全長で言えばあのクリスタルドラゴンよりもデカいぞ。
その場で踏み込み勢いよく飛ぶ____
……………
……!!!!
「なるほど……すごいな」
視界に広がって来たのはさまざまな建築物と大きな城。
その全ての建築物をこの蛇は円になって囲っていたのだ!
「これがこの国のやり方って事か」
魔王は自分の国を外敵から守る為に策を練っている。
この国の魔王はこの蛇を使う事で外からの魔物を城壁の様に防いでいると言う事だ。
それを意味する事はつまり__
「ここがあの爺さんの言っていた目的地って事か」
蛇の胴体の上に着地する……と
「__!」
反射的に身体が動き横から飛んできた何かを握る。
「……矢?」
明らかに人工的に作られた武器。
矢尻には魔法陣が描かれていて何かが塗られている臭いを放ってる……毒かな?
確かに地上の魔物はここまで上がってこれない……つまり残る要因は空からの魔物の防衛だが、これを撃って来たと言う事は__
「さて……久しぶりの魔族だな」
ポケットに折りたたんでしまっていた遮断ローブを取り出し羽織る。
「ちょっと遠いな……」
一発目の手応えが無かったのだろう、追撃の矢が飛んできたのを避け近づくと弓を構えている人物像が見えた……ってこれって__
「メデューサか」
「な!?」
ドレッドヘアの様な髪は細い蛇……そして目を隠す様に布を巻いている女の騎士……これってファンタジーで代表的なメデューサだよね!
彼女は弓を放り投げて僕からバク転で距離を取って剣を構えた。
「いきなり申し訳ない、此方に戦闘の意思はないので武器を下ろしてくれ……我々は冒険者だ
、ギルドカードもある」
ギルドカードというどこの国でも共通の物の言葉を聞きメデューサは警戒しながらも話を聞いてくれる気になってくれた……良かった……相手は魔物じゃないから争い事なんて起こしたらどうなるか解らないしね。
「掲示しろ」
メデューサは美人。
そう言う説があったけどそれを裏付けるかの様に声が綺麗だ。
「すまない、私ではなくマスターが持っている」
「マスター?貴様は騎士か?」
うーん、そう言われたらそうなのだが……話もややこしくなりそうだし、そうしておこう。
「そうだ」
「東に迂回していけば正面入り口がある、そこから手続きをして入ってこい」
おや?同じ騎士という事で甘くなったのか?
「了解した、ギルドカードはいいのか?」
今すぐ見せろって感じじゃなくなったな?
「お前達の事情を知らないのでな、騎士というならお前の主人はどこかの魔王という事もある……下手に我々が関わると外交問題になりかねないのでな……ちゃんとした手順でここへ来い……だが、ここまで言っているのに次に不法侵入する様ならば次はないぞ」
「了解した、お心遣い、感謝する」
なんとなく今の騎士っぽいかな?
「とう!」
とりあえず騎士っぽく優雅に飛び、下に降りた。
「……」
マスターが何も言わずにコチラを見てくる……どうだったって言いたいんだろうな。
「ここは1つの国らしい……上で騎士に会って正面入口を聞いて来た」
「っ……」
マスターは少し驚いた顔をしたがすぐにいつもの無表情にもどった。
「行こう、マスター」
あの事件から数日……久しぶりの町だ。
まぁ町に入ればマスターの気持ちも整理がつくだろう________
________
____
__
と、思ったのだが……
「報告にあったのは貴様達だな!犯罪者だ!捕えろ!」
え?どして?
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