第35話 力の全てを!剣に!


 「さぁ、発動しなさい!“罠魔法”【拘束の鎖】!」


 ウジーザスが言うと崩れた山の地面から数々の巨大な鎖が飛び出しクリスタルドラゴンに巻き付いていく。


 「ーーーーーー!!?!」


 「あなたも予想外でしょう、これは神の使徒から貰った魔法です、ライトさん!」


 ライトはもう走り出している。


 「優秀ですね……」


 __________


 ______


 __


 すごい。

 身体が軽い!普段とは移動速度が段違いだ!


 「クリスタルドラゴン!」


 何をしたのか解らないがクリスタルドラゴンは見たこともない魔法で拘束されている。


 「そうだよな!魔王様なんだから!」


 だが想定内だ!魔王様ならそれほどの事をする!


 なら俺は!


 「弱点を見つけ出す!」


 拘束されているクリスタルドラゴンを飛び回りながら登って行き__


 「はぁぁぁぁあ!!!!」


 思いっきり柄だけの剣を握り魔力を込めると先から青い高温の剣が出てくる。


 「くらえええぇ!!!」


 さらに魔力を込めると剣は太く、そして長くなる!


 「おらぁぁあ!!!」


 狙うのは翼!


 「ーーーーーーー!!!!」


 「ふんぬうぅぅぅうがぁあ!!」


 根本からどんどん焼き切っていく!

 元々切れ味などないのでこんな俺でも何無く斬れる____が

 

 「くっ!」


 翼は上の根元から3割程の所で魔力が維持できなくなった。

 


 「まだまだ!」


 魔力を大量に使った反動で少しクラクラする頭を無理やり働かせ、ポケットに入っている魔皮紙を取り出し乱暴に貼っていく。


 「くらえ!」


 クリスタルドラゴンの右肩の各箇所で爆発が起こり綺麗な鱗が地面へ飛散していく。


 「こんなのじゃまだ終わらねぇよな!」


 ポケットの中にある1つ小瓶の中身を飲み干し魔力を多少回復し、再びクリスタルドラゴンを登って行く。


 「うおっと!」


 その間に攻撃した翼と逆の翼が切り落とされる。

 

 「あれは……『ブラックライン』!?」


 流石魔王様!

 超級魔法をこの短時間でこの威力の物を1人で発動したんだ……本当に同じ魔族なのかこの人は!


 「ふんぬ!」


 態勢を整え上へ上へと登り__


 「よぉ、先輩」


 クリスタルドラゴンの頭に来た。


 「俺も竜人だから竜の血を引いてるんだ……だけどこれから殺す事に関しては何も感じない!」


 自分の持つ最大の魔力を剣に注ぎ込む。


 「悪いが英雄にならせてもらう!」


 剣は太く、そして長く光を放つ!


 「いくら災害でも!首を落とせば死ぬよなぁ!!」


 その剣はライトの全魔力と引き換えにクリスタルドラゴンの首を斬り落とした。


 __________




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