第25話 ライトの覚悟……娘を失った親
「ここみたいだね」
「ふむ……」
到着したのは住宅街のうち一つの一軒家。
外見はアメリカとかにある芝生の広い白い大きな家だ。
「何だろ?」
「うーむ……」
どうやらマスターは来る様にしか言われてないらしい。
「中に入れと言う事か?」
インターホンを押そうとした瞬間__
「ふざけるな!!!!」
僕たちは突然聞こえてきた野太い大声を聞きビクッと身体を震わせた。
「い、いまのは?」
「……家の中からの様だな」
入るのはやめよう、やぶ蛇みたいだ。
「どうしてくれるのよ!大切な娘なのよ!」
泣きながらも怒っている女性の声も聞こえてきた。
「あ!!」
「どうした?」
「見覚え……ある」
「この家か?」
「うん、僕と同じ学校の生徒の家なんだよね……」
「ふむ……」
尚も中から聞こえる怒声……こわ……内容的に夫婦喧嘩ではないんだろうけど……
「少し覗いてみるか」
「え!?」
「この怒り方は只事じゃない、もしもの時は私が止めに入る」
「う、うん」
コソコソと窓から見ると____
「すいませんでした」
そこにはライトが殴られながらも静かに謝っている姿があった。
「謝って済む問題じゃないだろ!」
「そうよ!あの時言ったじゃない!娘は必ず守るって!大丈夫だって!あなた達が言うから!」
「……」
そう言われてもライトは何も言わずに頭を下げている……先程の魔王様の前の土下座とは違う雰囲気……
「それで……お前1人だけ帰ってきたのか?」
「……」
またライトは殴られる。
「よくここに来れたな……」
「……」
「娘を……返せ!」
それから僕達は殴られ罵倒され続けるライトを見ていることしかできなかった……
親……か……
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