第4話 ドラマチック
なんで? 僕は昭和顔のヤンキーとファーストキスをしているんだろうか?
何の罰で、何の罪を犯したんだ。
昭和顔のヤンキーの顔が見る見ると赤く成って行く。もう耳まで真っ赤だ。
これは照れ?
いや怒りで赤くなっている?
そんな事より、コイツから離れないと。
「あ!」
焦ってしまったのか、体勢が崩れて、唇を離そうとした瞬間、手が胸を鷲掴みしてしまう。
なんだ? 岩? 弾力がある硬いゴムを触った感触。
鍛え抜かれた胸筋ってこんな感じなんだ。
そんな感想が頭に過ぎった瞬間、ヤンキーが耐え兼ねて、ついに爆発する。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!! 変態変態変態! バカバカバカバカバカ! 最低!」
ヤンキーはウサギの様に跳ね起き、胸を隠す様に走り去った。
「とんだ変態だった」
僕はため息を漏らしながら、アイツの背中を見送った。
さて、もう完全に遅刻だが、学校に行くとしょう。
僕は優雅な足取りで、学校に向かった。
10分後に学校である
と言っても、御坂高校は長い坂の上にある。
はっきり言って、最悪だ。
こんな坂を3年間も上り下りしないといけない。この学校を設計した人間を全力で殴る必要があるように思う。
まぁ文句を言ってても、仕方ないので、登る。
やっとの思いで頂上に到着し、やっと校内に入る。
そして先程の優雅な足取りから、忍び足で校内を歩く。
教室に着くと、後ろの扉からそ〜っと、入室して、自分の席へ着いた。
「こらぁ!
即効で見つかる。
人間って何故、見付かるのが分かっているのに、無駄な足掻きをするんだろう。僕も馬鹿な人間の1人って事か。
「とりあえず、お前の説教は後だ! 今日は転校生が来る。ソイツも遅れているみたいだけど、まぁそろそろ来るだろう。ひとまず、授業を再開する」
転校生。
あのヤンキー、このクラスかよ。
そんなドラマチックは要らない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます