第2話 戦い

今日はパトロールを実施している。

日課だ。


今日も悪党が居ない平和な街だ。

それで良い。


と、思ったが、今日は悪党が居た。

許さん。


歩きタバコをしているバカヤロウが居るじゃないか。注意しないといけない。ここで、見て見ぬ振りをしてしまえば、このバカヤロウ以上のバカヤロウに勝てない。

だから、震えるな僕。

正義執行なんだ。


僕は自分の手のひらを見た。

汗だくで、震えている。

続いて、足を見た。

目で見える位に震えていた。もうガクガクと膝が笑っているみたいで、もう倒れそうだ。


能力を使えば、こんな一般人は余裕だけど、能力は使わない。


僕だけの力で、喫煙者に注意するんだ。

行くぞ。

行くんだ僕。


「お、おぃ」

「あぁん?」


サラリーマン風の男が振り返る。

優しそうな顔だったけど、イラってした表情をしている。

最近は、優しい顔の人が怒った方が怖い様に思う。

怖い顔の人は、既に怖いのだから怒っても、その上限は上がらない。


「おおっ良い天気だなぁ」

「?」


僕は能力があるけど、弱い。

くそっ。


続く。

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