ライトノベルな拳で赤く染めれ

火雪

第1話 拳

基本的な事がある。

拳は、人を殴り倒す道具でも、凶器でも無い。


間違えないで欲しい。

拳を使用する人間が「 悪 」または「 正義 」なのかで全て決定する、だけの話。


近年、殴った方が一方的に「 悪い! 」「 悪だ! 」という風潮が存在する。


が、それは間違えである。と、僕は主張する。

この世には必要悪が存在する。

殴らないと分からない奴らは多い。僕のクラスもとんでもない奴らが居るんだ。

僕と会うなり、殴るヤツ。

文句を言うヤツ。

けど、良いんだ。


僕は、この拳を自分の為に使わない。

どんなに嫌でも、僕は決して使わない。


誰かを助ける為だけって決めているんだ。

でも、その機会は無い。


この世界に純粋な悪は存在しない。

色々な問題を抱えている悪は、真実の悪ではない。背景がダークに包まれる彼等を拳を葬る事は、正義か?

否!


間違いだ。


本当の悪が現れるまで、僕は使わない。

この力を決して、使わない。


でもだ!

時々、思ってしまう。

この世界は広い。

本当の悪が、蔓延っている。

それを倒すまで、今は修行だ。


続く。

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