第7話-そんなもんあってたまるか
「はぁ…はぁ…はぁ…疲れた、」
「そう?」
俺たちはなんとかイルカショーの会場まで来ることが出来た、勿論ダッシュで。
ここ広すぎだろ…
30分くらいずっと走り続けた。やばい。疲れた。
てかなんで雪はこんな走っても汗ひとつかかないでそんな涼しい顔してるんだ?
なんだ?雪は人じゃないのか?そういえば体育の成績良かったっけ。俺は運動神経悪いからなぁ…
まぁ、それはいいか…
「音は体力ないね〜」
「雪はバケモノなのか??」
「失礼な、私は可愛らしい少女です〜」
「確かにね…」
「えっ、素直に肯定されると照れる…」
顔を赤らめないでほしい、こっちまで照れるから。
「てか、イルカショー?始まるんじゃないか?」
「あっ、確かに!イルカショーは見なくちゃね!」
「確かにイルカショーがどんなものか気になるな…」
「え?イルカショーはイルカのショーだよ?」
「知っとるわ」
うん、イルカショー自体は知ってるよ?流石の俺も。ただ、ここの水族館のイルカショーが普通のイルカショーなのか気になってるだけだからね?
ここまで来たら普通じゃないイルカショーでも見てみたいけどな。
「ねぇ、音?イルカショー始まるよ?なに考え事してるの?」
「ん?あぁ、ちょっとね」
「ふぅん、まぁいいや」
そうこうしてるとトレーナーらしき人が出てきて話し始める。
『みなさ〜ん、こんにちは〜!本日のイルカショー始めていきますよ〜!』
ふむ、普通だな。まさか本当にただのイルカショーなのか?
『こちらイルカのイル君とルカちゃんで〜す』
あ、マジか…ただのイルカショーやんけ!まぁ、確かに?ポスターにもイルカショーって書いてあったし?イルカショーじゃなかったら詐欺だしな?
けどなんか納得できねぇ……
そう思いつつ結局俺と雪は最後までイルカショーを見た。
結論を言おう。普通に凄かった。
なんかトレーナーがイルカでサーフィンみたいな事してた。結構すごかった。
途中で雪の方を見たが目をキラキラさせてたのがめっちゃ可愛かった。
てか、忘れてたけど俺は今好きな人と水族館デートしてるんだよなぁ。イルカショーより雪の方を見てた方が俺的には楽しいんじゃないか?
とか思ってたけどイルカショーも目が離せないくらいには良かった。
だから俺的には良いものが見れて大満足なのだ。
そんな事を考えていると
「そろそろ遅くなってきたし帰ろっか」
「あー確かに、そろそろ帰ろうかね」
そんな会話になったので俺たちはそろそろ帰ることにした。帰る時は結構スムーズで、きた時みたいに石像の前で写真撮りまくりとかは無かった。
電車でもすぐに着くので雪が寝て俺に寄りかかってくるなんてラブコメ展開もなくそのまますぐに家に着いてしまった。
「今日は楽しかったね〜」
「そうだな〜特にイルカショーとか目が離せなかったわ」
「あはは、確かに!」
「それじゃ、また学校で?」
「なんで疑問系なのさ。まぁ、また学校でね!」
「おう、じゃあな!」
「うん!じゃあね!」
そう言って俺たちはそれぞれの家に入る。
「ただま〜」
「おかえり〜、今日はお楽しみだった?」
「その誤解を生むような言い方はやめて頂きたい」
そんな誤解を生むような事を口走ってるのが俺の母親である
まぁ、元気なのは良い事だ。元気すぎるのもどうかと思うが…
「まぁ、でも楽しかったんでしょ?久しぶりに雪ちゃんと遊べて」
「そうだね。めっちゃ楽しかった。特にイルカショーとか」
うん、俺はイルカショーがすごい気に入ってるから布教しまくるわ。
そうやって雪との楽しいデートの日は幕を閉じる。
また明日から頑張ろう。頑張れ明日からの俺。
そうやって自分を励ましつつ雪との思い出をもっと作りたいと願う俺であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます