第6話-めずらしいね
俺たちはまだ水族館の中に入っていない。暑い。
確かに前回俺たちは水族館の中に足を踏み入れたはずだよね。
なぜまだ外にいるのかって?
なんか雪がさ、入る直前に水族館の外?にあったイルカとか沢山の魚の石像が気になったららしく、そっちの方に行ってしまったので仕方なくついてきてるって感じだな。
写真を撮ったりと色々して全然水族館の中に入らないので
『うるせぇ!!行こう!!』
と、某麦わらの主人公みたいな事を言ってみたが
『恥ずかしいから大きな声出さないで!』
と言って腹パンされた。とにかく痛い。かなり痛い。
というかパンチが見えなかった、音速なのか?光の速さで殴られたのか?
俺はゴム人間じゃないからかなり効くぜェ
効かないねぇゴムだからとか一度は言ってみたいもんだ。
そうこうしてると
「よし、行こう。待った?」
「うんうん、待った。めっちゃ待った早く行こう」
「あのねぇ、女の子ってのは例え嘘でも待ってないよって言われたいもんなの。だから音はモテないんだよ?」
うわ、これは効く…
俺的精神的ダメージランキングTOP 3に入るやつ
【だからモテないんだよ】
これはキツイっすわ。
ま、まぁ?俺は心に決めた人がいるし?その人以外からモテてもその人からモテないと意味ないし?
まぁ、俺のSAN値が50から40になって不定の狂気になったけども、そんな貧弱な精神で
どうせ
そんな事を考えてると雪が
「ねぇ、何考えてるの?逆にこっちが待ってるんだけど」
と、言ってきた。
確かにそうだな。雪を待たせてしまった。俺たちは今水族館デート中じゃないか。
そうだな、うん。必殺技DO☆GE☆ZAをするしかないか。
そう考えながら俺はスッと膝をつき滑らかな動きでDO☆GE☆ZAをしようとすると何かを察したかのように雪が俺の腕を掴み笑顔でこう言う。
「土下座とかやめてね?恥ずかしいから」
笑ってるけど笑ってないよ、怖すぎるよ、
だから俺はすぐに水族館の中へ入ることにした。
「涼し〜」
「ここはオアシスだ…!」
「クーラーついてるけど水とかあるから余計に涼しく感じるんだろうね」
「確かにな〜水の中にいる気分になるよ」
うん、やっぱ水族館の中はいいな〜。生き返るような気分だよ。
「あっ、見てこれ!」
「ん?」
呼ばれたので雪が見ているケースの魚を見る。
「なんだこいつ…魚なのに歩いてる…!?」
「不思議だね…!」
この魚の名前はホウボウと言うらしい。なんかエビに見えてきたな…
コイツが本当に歩いているのか?歩いてるように見えるんじゃなくて?
まぁ、いいか…
そう思いつつ俺たちはまた歩き出す。
う〜ん、なんていうか定番の魚があんまりいない気がする。いや、新しい水族館を目指してるのは良く分かった。だけどさ、なんか違う気がする。
もしかしてイルカショーとかがシャチショーとかになってたりするのか?
いや、流石にそれはないか。イルカショーと言ったら水族館の大人気イベントなんだからそこも変えちゃうのは大丈夫なのか?経営的に…
「にしても、さっきから見た事ないような魚ばっかだな」
「一応定番コーナーみたいなところあるらしいよ?」
「そうなのか。確かに広いもんな。そういう所の1つや2つないとおかしいよな」
「今日中に回り切れるかな…」
「別に今日回りきれなくてもまた来ればいいだろ」
そう言うと雪は驚いたようなかおをして少し嬉しそうに頷いた。
少しあるいていると雪があるポスターを指して言う。
「イルカショー見に行こうよ!」
ついに来たか…
雪、それは本当にイルカショーなのか?イルカショーと書いてあるだけで実はシャチショーでしたとか無いよな?
「この水族館でのイルカショーは気になるな…行くか。」
「うん!行こう!」
そう言って俺たちはイルカショーの会場に向かって歩き出す。
場所は知らない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます