第4話−約束してからがデート

デートとは、それは男女が日時を決めて会う事、またその約束。

ふむ、約束も含まれるんだな、流石グーググ先生。約束も含まれるなら既にデータは始まっているのでは?成程、生半可な覚悟ではダメという事か。


俺が今こんな哲学っぽい事を考えているのには理由がある。

それは雪とのデートだ。さっきの帰宅中に土曜日にデートをすると雪と約束したのだ。まだ土曜日のデートまでには時間がある、予定を組まなければ。

そう思いながらオヌヌメのデートスポットを検索するためにスマホを取り出し起動する。オヌヌメって言い方は気にしないでくれ、自分的に気に入っているんだ。そしてある事に気がつく。


「ん???あれ、今日って金曜日??」

そう、何を隠そう今日は5月5日、メタい事を言うと4話も経っているのにまだ日にちは変わっていないのである。そしてデートは土曜日、つまり今日が金曜日のためデートは明日と言うことになるのだ。

「うそだろ…土曜日って明日だったのか……」


急に焦り始めてデータの計画どころでは無かったので雪に行きたい場所を聞いてみることにしよう。うん、そうしよう。

そう思いレインを開き、雪にメッセージを送る。

『土曜日って明日だったんだな。ところで、雪的には行きたい所はある?

思いついてないなら遊園地とか水族館とか良いと思うけど。どうする?』

うん、少し調べてみたけど遊園地とか水族館とかしか出てこなかったもんな。

まぁ、大体予想はついていたが。


2、3分すると雪から返事が来る。

『おー!水族館!いいね。私は今明日着ていく服を選んでいるよ、楽しみにしていたまえ。』

一体どんな服を着てくるのだろうか、まぁ、どんな服でも似合うか。

『どんな服でも似合うと思うけどめっちゃ楽しみにしておきます。』

『うむ、良かろう。ところで、水族館って1番近くの海野水族館でいい?あそこ近いのに行った事ないんだよね〜』

海野水族館か…たしかに行った記憶ないな。近いしそこが良いかもな。

『りょーかいでし』

『じゃあ、明日は黄緑駅集合ね!』

黄緑駅とは家から1番近い駅の事である、ちなみにメタい事を言うと、この物語に出てくる地名とかは存在しないやつだから気にしないでくれ。


でも一体なんで駅集合なんだ?家隣同士なのに。

まぁ考えてもしょうがないか。雪にも何か考えがあるのだろう。

俺は考える事をやめ、ウニから手足が生えたキャラクターが了解と言っている地味にキモいスタンプを送る。いや、キモ可愛いと言うべきか。

『じゃあ明日の時間どうする?たくさん遊びたいから7時とかに集合がいいな!』

7時か、まぁ、良い感じの時間じゃないか?

『うい〜分かったぞい』

『じゃあそゆことで。明日の服選びに戻りまする〜』

『んじゃまた明日な』


そこで会話は終了された。なんかこう話してると雪が俺の記憶ないって忘れちゃうくらいいつも通りの自然な会話になってるな。

やっぱり、懐かしいとかそうゆう感覚を体が覚えているから安心して自然に話せるのだろうか。

つまり、経験は大事ということか。これは割と何にでも言える事だよな。

スポーツだって動画を見たりひたすらルールばっか読んだりしてる奴と実際に体を動かしてルールを覚えたり練習してるやつだと上手さが違うと思う。

スポーツは体の反射的な行動とか結構大事だったりするしな。

まぁ、要するに雪の体が俺を覚えているだけまだマシって事だな。


ってか今気づいたけどさっきからデートデート言ってるけど、雪は遊びに行こうって言っただけだよな。デートとは言わないのか、、?

否、それは違うな。だってグーググ先生も言ってたよ。男女が約束して会う事がデートだと。

うん、悲しい。理論的にはデータだけど結局は気持ち次第だと思う。だって好きでもないやつと遊びに行っても意識とかしないだろ?つまり気持ち的にはデートじゃないんだ。しかし、相手は意識してるかもしれない。そいつからしたらデートってわけ。それと同じ。俺がいくらデートだと思おうと雪がデートだと思っていなければデートじゃないって事だな。よし、悲しいからこの話やめよ。


あれ?でもわざわざ駅に集合ってことは雪も満更ではないのか…?

いや、無いな。

雪は昔から気分で動いたりする事が多かったからな。

今回のこれも多分気分で決めたんだろ。


さ、明日のためにもう寝るとするか。

実はもうご飯も食べて風呂にも入った後だしな。

明日の事は明日の自分に任せよう。


頑張れ明日の自分、おやすみ今日の自分。

そんな事を考えながら俺は眠りにつく。

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