第13話 結婚式~ライブ~。

結婚式3日目、ライブとの結婚式はトウテでやったので盛大になる。

イブとアクィが力を尽くして王都からスレイブ達やエーライ達を招く。


ミチトの嫌がる派手婚にライブが心配そうに「ミチト…、いいの?」と聞く。ミチトは「うん。ライブの為の結婚式だよ。皆はそれぞれとだけどライブは皆との方が喜ぶと思ってね」と答えるとライブはそれだけで泣いて「ありがとう。嬉しいよ」と言う。


息子のジェードは「お父さん、昨日はお母さんでその前がアクィママだったの?」と聞く。

「うん。本当はライブとジェードとベリルとメロで良かったんだけどライブは皆に見てもらうと嬉しいと思ったんだ」

この言葉にジェードは少し困った顔をして「お父さんを独り占めしたかったけど…ママが喜ぶならいいや」と言う。


そんなジェードのヤキモチはそこまでだった。

着飾ったのは自分達だけでアクィ達は普段着だった。

タシア達も普段着で、ロゼはまだよくわかってないしタシア達は先に着ていたから文句も言わない。


そして大鍋邸から歩いて孤児院を教会に見立ててミチトとライブが腕を組んで歩くと皆が祝福をしてくれる。


ライブは泣きながら「ミチト、見て…。皆が私とミチトを祝福してくれてるよ」と言う。


「そうだね。喜んでもらえて良かったよ」

ミチトの悪戯だろう。神父役をセルースに任せて「お…ほ……本日はお日柄も良く」と上ずった声で言ったセルースにライブとミチトは伝心術で「ちゃんとやってよ」「失敗したら天空島から落としますね」と伝えて「勘弁してくれよ」と言わせていた。

指輪を渡すときになってライブはミチトが手の込んだ指輪を作っていた事を知って感動をする。


「え?術じゃないの?本当に一から手作りなの?」

「うん。それで習いに行っていたんだ。下手っぴだから嫌かな?術で直そうか?」


「やだよ!私だけの指輪だよ!ありがとうミチト!着けて!」と言い、ミチトはここで初めて「どれが良い?」と聞いた。


「え?」

「実はライブの指輪が1番悩んでさぁ、この数日でこっそりと更に沢山作ったんだよね」


そう言ってこれでもかと出してきた指輪を合わせると5個あった。

ミチトに言わせると皆すぐにイメージに添えたがライブだけはどれも似合いそうで困ったと言う。


ライブはその説明に真っ赤になって「ばか、全部頂戴」と言うとミチトは嬉しそうに「貰ってくれるの?良かった。貰ってくれてありがとう」と喜ぶ。


この笑顔が気になったライブが「…貰わなかったらどうしてたの?」と聞くとミチトは当然の表情で「溶かそうと思ってたよ」と言う。


「バカ!ダメだよ!全部私んだよ!」

慌ててライブは4個を収納術に収めると、最後の1つをミチトに渡して指を出す。

受け取ったミチトが指輪をはめて「はい。似合ってるよ」と言うとライブはまた感涙する。


そして皆のように戻る際に金色のドレスに染め上げて見せた後、ミチトは真式ではないが術の才能も感じるジェードに術の込め方を教えてライブのドレスを明るい赤にしてみたり楽しむ。


明るい赤から濃いピンク色になったドレスに驚くライブが「わぁ!遊ばないでよジェード!」と言うとジェードは目を輝かせて「ママ綺麗!」と言い、この言葉でまたまたライブは泣き、スレイブ達やモバテ達からの言葉でも泣き続けていた。


パーティーはいつもの立食パーティーでミチトは参列してくれた皆に礼を言って歩く。本来は夫婦揃ってが望ましいが、ライブはスレイブ達の代理マスターとして捕まっていてミチトだけが先にモバテ達の所に礼を言いにくる。


モバテは不満一色で「ミチト君よぉ、なんでサルバン嬢とリナさんの式には呼んでくれないんだ?」と言うのでミチトは「話が大きくなりすぎるし、奥さんごとの差別化ですよ。アクィはスカロさんとパテラさん、サルバン邸の人達に見せたいし、リナさんは俺と一緒で目立ちたくありません。ライブはスレイブ達のためにも見せたいでしょうからこの式です」と説明をする。


この説明にエーライが「ではイブさんのは…」と聞くと「見せませんよ」と即答し、シックは「ガッカリだよ…。あの色の変わるドレスも見事じゃないか」と言うとミチトは礼服の事もあるので「まあ後日メロを呼んで伝心術で見るのは良いですよ」と居う。


アプラクサスはガッカリした顔で「それに言ってくれれば王都の聖堂を用意しましたのに」と持ちかけると渋い表情のミチトは「…だから、それが嫌なんですよ」と言った。


ライブの結婚式を見てスレイブ達は結婚いいなと言い出し、シヅなんかはオーバイに、結婚をどう思うかを聞いて「私まだ子供だもん」と返されて肩を落としていた。


シヤとクラシは何とかミチトの結婚式を遠視集音術で見ようとしていて昨日のリナとの式も覗こうとしていた事からミチトに「やりすぎると成長限界迎えちゃうよ」と注意されて慌てていた。

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