針の穴

ももいくれあ

第1話

夜を逃した朝だった。


ふざけないで。と呟いた


彼女の漏らした吐息には、


気がつかない筈がなかった。


チクッとささった針の穴は、


いつのまにか広がっていた。


ひとしずくの涙さえも

 すり抜けてしまったんだね。


もう絶対泣かないよ。って、


最期の嘆きを残して消えた。

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針の穴 ももいくれあ @Kureamomoi

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