第2話出会い

私は昔から人に冷たく、所謂冷徹という物だった。いつも自分の筋は通し、周りのことを理解して動く。一見難しいことのように見えるが私にとっては簡単だった。しかし、そんな性格だから話しかけられることも少ないけど、友達なんて要らないと思ってしまう自分がいる。そんなことを考えてから寝たら自然と今日は朝早くに目が覚めてしまった。今から寝てもどうせ起きないと行けないと思い、私は朝食を食べ、髪を整え、いつもより早く学校を出た。

いつもとは違う、少し肌寒く、人が少ない通学路を通り、図書室なら静かなんじゃと思って図書室に行く。案の定誰もいなくて、時間にも余裕があるから、ちょっとくらい、と思って近くにあるソファーに寝転がる。少し冷たいが、なぜか心地よい。これならいつも来てもいいな〜などと考えていると急に足音が図書室に近づいているのが分かった。ちょっと焦ったが、私は一瞬でそのことを理解し、本を読む用の机に座り、参考書を開いて勉強するふりをした。そして2秒後くらいに図書室のドアが開く。私は誰なんだろうと思い、顔を見ると、彼は1年A組の増田裕貴君だった。彼とはあまり、接点がないのだが名前は知っている。たしかテストでも上の方だったはず、、、とそんなことより挨拶しないと!と思い「おはようございます、増田さん」といつもどおりに挨拶した。そして彼はどこかに行くのかと思ったら私のノートを少し見て、「あっそこ間違えているよ」と言われる。自分の頭が少しえ?という状態になり、ノートの指を刺されているところを見る。確かに間違えていた。少し不思議だった。何故こんな私に優しくしてくれるのだろう、、、いや!増田君がそういう人なんだきっと!それよりお礼を言わないと!!

そうして「ありがとうございます、教えていただいて」とお礼を言う。増田くんは少し照れたようにして奥の方の席に座っていった。

そんな姿に少し、かわいいなぁ、、と思いながら指摘されたノートを書き直すのでした。

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