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素敵なうたです。
文字が川になって流れて、
恋文が、こちらへと流れてくる様が見えるようです。
海の底の魂という言葉を、
小烏さんが、どんなイメージを描いて選ばれたのだろう…
そう思いました。
私には思い当たる風景があって、
凩の吹く頃に、
その魂がふと水面を見上げる時、
沢山の恋文を見つけては、
静かに喜んでくれればいいな、
そんな気持ちで読ませて頂きました。
忘れないでいてくれてありがとう。
海の底からそう聞こえました。
作者からの返信
緋雪様
素敵なコメントをありがとうございます!
とても心に響くコメントで、簡単には返信できず、何度も読み返しました
海の底に眠るのは、読んだ方の自由な感性に委ねようと思ったのですが
私が思ったのは例えば
近いところでは、
東日本の震災の犠牲者であり
十勝沖地震の犠牲者であり
また船の事故で海に沈んでしまった人々であり
遠くは、
壇之浦に沈んだ源平の武士、水夫であり
また
死して深海の生き物を支える鯨だったりします。
陸を恋しく思い出す全ての魂に恋文が届きますように。
凩が届ける恋文、ということでしょうか?
私は、この詩を読み、金子みすゞを想い出します。
みすゞの自然をヒトに例える感じ、そして山と海、それらが平明に語られる感じ。
みすゞは、それを物悲しく、理不尽に翻弄されるモノとして書く事が多かったけど、この詩のように(どう懐かしく想うのかとか)、読み手に想像させる余地を残し、読後、何らかの情景が心に残るのは同じ。
恋文、それは男女の情愛を示すだけのモノではなく、自分の故郷や思い出、かつて愛したモノに対しても成立するリリックなのだ、そしてそれは自分の魂に繋がるモノ。
海の底の魂。
わだつみの声。
命あるモノが還る場所、わだつみの底。
そんな連想をしながら、私は、仏壇の供物の饅頭を食べる。
堅く密閉され、保存の効く仕様は、線香の香りから中の饅頭を守る。
ふと、私は、海の底の魂も、実は深海の底の底にある為、そこは静謐が保たれ他の世界と隔絶した閉鎖された領域にあるのだと思い至り、そこへ落ちて行くモミジ葉の紅い色、紅葉した黄色い色などの絢爛なる色景色が、その深海の、この饅頭のようなアンコクに、ユラユラと落ちて行き、その暗黒に呑み込まれ、同一の色となって行くのを見た気がしたのだった……。
作者からの返信
風鈴様
こちらにもおいでくださってありがとうございます!
素敵な感想と分析。
ありがとうございます!
〆が仏壇の饅頭なところが、風鈴さんらしくて楽しいです。
最後の一節。
>ふと、私は、海の底の魂も~
詩への返信のように感じられて、嬉しかったです。
最後になりましたが、レビューのお星さまをありがとうございました。
励みになります!
こんにちは。
素敵な詩ですね。
行と段を違えて、視覚的にもうつくしく、散った葉が川を下って海に着く、そんな物語を表すような。
宗達の下絵に光悦が書いた和歌巻が思い浮かびました。
作者からの返信
久里琳様
こちらにも来てくださって、ありがとうございます。
格調高い感想をいただいて恐縮してしまいます。
行と段の使い方は工夫したところなので、気づいてくださって嬉しいです。
コメントをありがとうございました。