レイシアの授業選択 第一章(完)

「では、他の話に移ってもよいかな」


 お祖父様はメインディッシュが運ばれたタイミングで、レイシアに尋ねた。レイシアは、「そうですね」と相づちを打った。


「とりあえず、メイド喫茶の方は大人気みたいだな。大分広く作ったつもりだが、それでも席が足りないようだ」


 レイシアは、受け取ったレポートを眺めながら言った。


「この一日の客数ですが、この書き方ですと何曜日がお客さんが多いとか少ないは分かりますけど……」

「何か不満なのか?」


 言いよどんだレイシアを促すようにお祖父様は言った。レイシアは、それに答えた。


「時間帯が分かる書き方だとありがたいですよね」

「時間帯だと?」


 一日の客数を書くだけでは駄目なのかとお祖父様は首をひねった。


「ええ。時間帯によって混む感じって違いますよね。時間ごとにどのくらい差があるか分かると、実際店に出ていなくても分かることってあると思うんですよ」


 お祖父様は、「ふむ」と考えてレイシアに言った。


「それはやってみる価値があるな。時間帯ごとの集客率の変化か。なるほど。感覚としては分かってはいても、データとして出ていれば、働いたことのない人間にも分かりやすく説明できる。問題は手間だけか」


 レイシアとお祖父様は、いろいろと意見を出し合いながら、やがてグラフという概念にたどり着こうとしていた。


 デザートとお茶が運ばれ、話し合いは一旦切りの良い所で終わった。


「今日はいろいろと有意義だったな。この可視化が出来そうな表についてはお前にまかせよう。儂より柔軟な考えのお前の方が良い結果を産むことだろう」

「はい。やってみます」


 紅茶を飲みながら、お祖父様は思い出したように言った。


「それとだ。マックス神官が今、商業ギルドが併設されているヘルメス教会に戻ってきた。お前に会いたがっているようだ。そのうち顔を出してあげなさい。オヤマーに来るなら儂が馬車を出そう。なにかあったらポエムに言うように」


 1年間ターナーの教会にいたマックス神父。レイシアは近いうちに教会を訪ねて行こうと思った。


 そうして、お祖父様との会合は終わりを迎えた。



 ドレスの問題もとりあえずクリアしたレイシア。

 その後、学園長,シャルドネ先生などと話し合い、受けるべき授業が決まった。

 ちなみに、1年生の時に取ったメイド基礎、簿記などのコースは、最初のテストで2年生の終了証を勝ち取った。




 【レイシアが選択した授業】


 ビジネス作法・[貴族対応](法衣貴族) 続行

 

 冒険者基礎(お仕事) ※補助員


 騎士実践基礎(騎士) ※補助員

 魔法基礎(騎士)   ※補助員

 馬術基礎(騎士)   ※補助員


 貴族基礎講座 (上位貴族)

 貴族女子マナー(上位貴族女子)

   基礎講座

   実践

 ダンス    (上位貴族)


 貴族の子女としての最低限のコースは取った。


 ビジネス作法は平民になるためには役に立つし、貴族対応は今のままでは心もとないのと思っているので続行した。


 冒険者基礎は、ククリとルルのサポートを自然に受けるために必要。学園長からの特別な報酬も魅力的。


 なぜか騎士コースで補助員をすることになった。


 こうしてレイシアの2年生の授業は、貴族女子中心の授業と、戦闘系の補助員になったのだった。



……………………あとがき……………………



 やっと区切れる! やっと1章が終わりました。またしても想像の数10倍ながくなったレイシアです。おかしい。この長さって夏休み終わりまで行っていてもおかしくないのに! 王子出過ぎ!


 そんなこんな言いながら、最近は王子に頑張って欲しい感情が芽生えてきました。ええ、不憫すぎて……。


 ここから、人々の思惑がどうなっているのかの答え合わせの閑話が始まります。2章まで少しの間お付き合い下さい。


 それにしても、登場人物増えたなあ。困りました。二部の貴族子女達どうしましょう。名前が・・・。


 そんな感じですが、これからもよろしくお願いいたします。



 章の終わりですし、久しぶりに貼っておこうかな。


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 まあ、気分で張っただけです。たまにはいいよね。ここまで読んでいる方は、もう入れてくださっている人多いだろうし。どちらかというと感想が・・・楽しんでくれていますか?


 では、次から一章の閑話の始まりです。楽しんでお読みください!


 みちのあかりでした。

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