閑話 アクアのサービス

「いつも素晴らしい温泉をお守り下さりありがとうございます。いつの日か、領外の人々にも温泉の恵みが享受できますように」




 レイシアが私にお願いをした! こんなにはっきりとお願いされたら、お姉さん頑張らなきゃいけないじゃない!

 え~と、今の温泉の周りには結界をかけているわ。入れるのは、ここの領民と神殿関係者、後は仕事で長期滞在する人だけね。何でかって? ここの領民を守るためよ。


 もともと温泉は聖域なの。だから聖域の隣に教会が立ったのよ。まあ、この領の領主は代々教会と私に対してていねいな扱いをしているからね。王都の教会本部から遠いから好きにできたのよね。


 神は人の信によって力を増すわ。


 200年前は度々戦争があった。150年前までは、荒れた世界を立て直そうと、神と人は手を取り合い良き関係にあったの。


 その後、平和になったら、信仰の形が変わった。

 教会組織のトップが権力を欲するようになった。

 祈りの形も、教えの中心も変わっていった。

 その勢いは、あまりにも急速に広がっていった。

 神の名を語り、教えを曲解し、教会組織は人々を管理した。


 そのために、教会組織は国民の知性と教養を失わせることに躍起になった。

 聖書の言葉も伝えなくなった。


 だから、神を利用しようとする者には何も与えないもの。

 教会本部のやつらには神の恩恵は何もないわ。


 ほとんどの神は、人を相手にしなくなったの。たまにちょっかいはだしたりするけどね。


 あたしや、バッカス、ヘルメスなんかは変わり者よね。積極的に人に関わっている神なんて少数派。でも教会についている訳じゃないのよ。バッカスやヘルメスは商工業のギルドに、マルスは軍に。そこには信じて祈る者たちがいるから。だから私も関わるって言っても農業以外はこの領の人だけ。それでも水はどこにでもあるから困る人なんてほとんどいないわ。水も空気も森も。恩恵がなくともそれなりには存在できる。だから普通は感謝が起きない。


 そんな状況の中でレイシアが出て来た。もともと温泉の恩恵を理解していたターナー領はお気に入りだったんだけど、新しく来た神父は昔の聖句を掘り起こし、レイシアはそれを子供たちへ伝えた。心から私を祈り、古い祈りを復活させた。そんなレイシアに頼まれたら、なんだってやりたくなるでしょ!


 スーハーのお陰で、人々の祈りの量が信じられないほど増えた。そうなの! スーハーを始めたのもレイシアなのよ。レイシアとバリュー神父が始めたの。おかげで被災して使い切ったエネもおかげでだいぶ戻ったわ。じゃあ、温泉掘りましょうか。地下の水源を確認。だいぶ深い所に温まった水源を発見。ここから地上に出すには……。うん、2~3年位はかかるかな? 待っててねレイシア。一般人も入ることのできる温泉引いておくからね~。





〈まだお休み中です〉


 お休み頂いていますが、忘れられないようにちょっとだけサービスです。

 たまに書かないと書き方忘れそうです。


 教会本部と神たちは袂を分かったのですが、人々の祈りには反応している神たちです。媒介にするため教会を利用することはよくあります。祈りを受持することが簡単なので。


 最初スパイとしてターナーに来たマックス神官見習いがすぐに温泉に入れたのは、教会関係者だからではなく、62話でヘルメスから認められたからです。そう言う意味では、カクヨームに認められたラノベの祖「クロウ」がもしターナーに来たら温泉に入れることでしょう。来ませんが。


 では、三章までお待ちください。もしかしたら閑話か設定集かなにかそれまでに放り込むかも知れません。その時は、書けていないんだなと思ってください。

 

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