謎の出題

・問題

 お宝は「7-2」「4-1」「7-1」「1-2」「2-4」「10-5」「7-2」「9-5」

 かならず「8-5」「9-3」にとりにいくこと

 

・ヒント

わらやまはなたさかあ

いり みひにちしきい

うるゆむふぬつすくう

えれ めへねてせけえ

をろよもほのとそこお


「これは五十音の表かな」

 ぼくはヒントと書かれた部分をみて言った。

「問題のところの数字がよくわからないのよ」

なぎちゃんはどう思う?」

 ぼくが話をふるとなぎちゃんはきすてるように言った。

「さぁね」

 そのまま飲んでいたコーラをすすりきり、カバンを手にとると、席をはなれようとする。

「ちょっと待ってよ。急にどうしたのさ。なぎちゃんって謎ときはきらいだっけ?」

「……あまり好きではないな。謎ときの謎というものは理由がわかりきっているものだからね」

「理由?」

 なぎちゃんは席にすわり直した。

「謎ときの謎がつくられる理由はただ一つ――とかれるためだ。犯罪をかくす目的でつくられた……とかれてはならないミステリの謎と、逆にとかれなくてはならない謎ときの謎。後者は私の好みから外れている」

 そんなことをいっても、ミステリの謎だって読者にとかれるためにあるのは同じだろう――口に出かけたその言葉をのみ込んだ。


 そうだった――これは鮎村あゆむらさんが知るはずもないことだが、かつてなぎちゃんはことがあったのだ。


「そういうわけで失礼するよ。やることもできたからね」

「やることって?」

「父さんに買ってもらったばかりのドローンが届いたのを思い出した」

 鮎村あゆむらさんは悲鳴をあげるようになぎちゃんにすがりついた。

「そんなこと言わないでよぅ。なぎちゃんならこの謎、とっくにとけているんでしょ? お願い。今回はお宝――商品もあるみたいだし、ね?」

「ふむ……」

 なぎちゃんはしばらく問題をながめ――こう言った。

「気が変わった。問題をとくことにしよう」

「やったぁ!」


「この謎のカギはにある」

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