第9話 ノーテルマンスにやってきて1ヶ月が経ちました

《ノーテルマンスの教会》


「ロキュス様、いつも寄付をして頂きありがとうございます。神はロキュス様を見守っておられます。ロキュス様に神のご加護のあらん事を。」

「いえ、僕こそ今まで誰とも知らない方に孤児院で助けられましたから、ただその助けていただいた方には助けは要らないと思いますが、少しでも人の役に立ちたいのです。」

「何て立派な志でしょう(何て可哀想な子。お貴族様が好みの女を調達する手段だと言うのに、それを知らないなんて。そしてポイントの事は知らないのかしら?今時尊いわ!)。必ず孤児院に役立つようにいたしますから。それとカードをお出し下さい。」


 僕は週に一度、こうして教会に向かい、主に孤児院の役に立ってもらおうと、少ないながらも寄付をしています。

 そして、カードを渡しお金を寄付しています。

 こうするといまいち分かりませんが、賞罰の項目に変化が出るようです。ただ、賞罰の項目がカードに無いので詳細は分からず仕舞いですが。


 僕が祝福を受けにノーテルマンスにやってきて、約1ヶ月が経ちました。

 

 最初は寄付自体が分からなかったので、教会で寄付をするという考えすらなかったので、寄付を始めたのは2週間ほど前なんです。


 そうそう、この頃にようやく僕のレベルは5になりました。


 名前      :【ロキュス・エルメリンス 】

 性別      :【男】

 レベル     :【5】

 ランク     :【F】

 年齢      :【10】

 住居並びに連絡先:【ノーテルマンス】

 所持スキル   :【テイム:レベル1】

 身分      :【冒険者】

 職業      :【テイマー】

 所属      :【なし】

 所属      :【なし】

 ポイント残高  :【 30】

 残高      :【 0】

 

 何故残高がゼロ?


 そう思うかもしれませんが、僕の出自は孤児です。

 なのでそう言った他の現在孤児、または孤児出身の方々に少しでも役立ってもらえればと、少ないながらも寄付をしているのです。


 あとポイントの使い方が分からないので放置しています。

 何か分かりませんが、レベルが上がる毎に、上がる前のレベルと同じ数値のポイントが増えるようで、僕のレベルは5になっていますので、レベル5になった時は、プラス4されています。


 レベルが1の時は当然ながら0です。

 レベル2の時は+1 残高1

 レベル3の時は+2 残高3

 レベル4の時は+3 残高6

 レベル5の時は+4 残高10


 僕はレベル5になって、ポイントを使った事が無いので残高10のはずなのですが、これには別の増え方があります。

 賞罰です。

 賞罰は依頼をこなせば増えていきますし、何か特に評価された場合にも増えます。

 今の僕の評価はプラス20なので、レベルが上がった時の10と20を足して30。

 そして詳しくは知らなかったのですが、教会へ寄付をすれば、金額に応じてポイントが付与されるとか。以前そんな事を聞いていた気もしますが、賞罰の事が分かっていなかったので、深く考えていませんでした。

 評価の項目はカードに記載がなく、教会で調べてもらう事も出来るようですが、ポイントに直結するのですぐにわかるので必要ないのだとか。

 寄付って感謝の気持ちを込めて行うと思っていたので、衝撃です。

 ポイントを金で買う、そう思わないでもありませんが、だからと言って寄付を止めるという選択肢は僕の中にはありません。

 他にも何かありそうですが、こういう事はベアトリクスさんに聞いた方がいいのかな。

 そう思ったので僕は色々と受付のお姉さん、ベアトリクスさんに聞こうと思ったのですが、その前に教会へ寄付をしに向かったんです。


 カードの残高を全て寄付しました。

 一応細かいお金を持っていますし、今日も依頼をこなせばある程度お金を得られますからね。



《冒険者ギルド》

 ベアトリクスさんの所に向かいます。

 教会に寄ったので、既に冒険者の方々はこの場に居ません。朝一番で依頼を受け、そのまま依頼を達成すべく街から出て行くからです。


「え?ポイントの使い方が分からないですって?」

「そうなんです。だからこうして教えてほしいと思ったんです。」

「そっかあ、ごめんね気が付かなくて。それにしてもよくもまあ30ポイントも貯めたわね。じゃあ早速スキルのレベルを上げちゃいましょ?」


《個室》


 個室へ案内されました。

 時間がかかる場合や、込み入った話があればこうして個室で話をする事があるそうです。


 どうやらこのポイントは、スキルのレベルを上げるために存在しているようです。


 スキルのレベルが上がれば自身の能力が上がるのですが、もし戦闘中に上がってしまうと、今までの使用感と違ってしまうので、こうして任意で上がるようになっているようです。


 個人のレベルに関しては、身体能力に変化はないからと、そのまま上がるのだとか。


 違いが分かりません。


 僕はスキルを1つだけ所持しているので、テイムスキル一択ですが、複数スキル持ちの人は、上げるスキルを選ぶそうです。


「説明した方が良いかしら?今ロキュスさんはテイムスキルが1だから、ポイントを1使えばレベルが2になるのよ。」

 成程。では全部使えばどうなるのか?

 現在スキルレベル1

 レベル2 ポイント消費1 残り29

 レベル3 ポイント消費2 残り27

 レベル4 ポイント消費3 残り24

 レベル5 ポイント消費4 残り20

 レベル6 ポイント消費5 残り15

 レベル7 ポイント消費6 残り9

 レベル8 ポイント消費7 残り2


 つまり僕のテイムスキルは8まで上がるという事のようです。


「おめでとうございます、何だかもったいなかったですね。しかしこれで2体目の従魔をテイムできますわ。そして頑張って後2つ上げればレベルが10になり、3体の従魔を従える事が出来るわ!」


 3体も管理できるのでしょうか。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る