第8話 薬草について、従魔(スライム)の能力等、報告書

《薬草》


 通基本的にFから始まってAランクまである。

 そして例外として存在している最高品質はS。

 通常はCまでしか使わない。

 Fは最低品質、Eは低品質、Dは中品質、Cは+中品質、Bで高品質、Aは+高品質、Sは最高品質と分類されている。

 但し初心者はFでも問題ない。

 冒険者のレベルが10になるまでは概ねFで間に合う。


 黄色:怪我

 赤色:状態異常

 緑色:魔力の回復

 


 茶色:状態異常の効果

 紫色:毒の効果

 

 白色:浄化・消臭作用

 青色:老廃物の排出・肌の改善

 その他にも報告が上がっているが、詳細は不明でありここでは記載を省く。


《スライムの体色》


 黄色:怪我に効く成分が好み。

 怪我に効く薬草を好んで食べ、通常より良い品質の怪我を回復させる効果のある液体を吐き出す。

 赤色:状態異常に効く成分が好み。

 状態異常に有効な薬草を好んで食べ、通常より良い品質の状態異常に効果のある液体を吐き出す。

 緑色:魔力の回復に効く成分が好み。

 魔力を回復させる事の出来る薬草を好んで食べ、通常より良い品質の魔力回復の液体を吐き出す。


 以下は殆ど情報がなく、未だ分かっていないのだが、参考資料として付け加える。

 また、全く分かっていない項目は未記載としている


 白色:汚物が好み。汚物を取り込んで綺麗な物質に変えてくれる。

 青色:皮膚の汚れが好み。皮膚の汚れを取り込み、肌に張りと艶を引き寄せる成分を出してくれる。



《スライムについて》


 スライムには種類や個性があるとされる。種類もまだはっきりとわかっていなくて、実は1種類だけしか生息していないという説がある。で、何が違うのかと言えば、個体別の性格と、食べた餌によるところが大きいと言われている。それによって進化と言うべきか、成長と言うべきか、とにかく育つにつれてスライムの進化の先が変わる事が報告されている。


 なお、小さな個体はほぼ無害。


 しかしダンジョン等で生息している、恐ろしく大きな個体はドラゴンすら逃げ出すほど凶悪な存在となる。

 核を取り除くか破壊すれば仕留められるが、実際には自在に核の位置を変更できるので、難しい。

 そして体内には強力な酸を蓄えており、物理攻撃、例えば剣などで切りつけても、剣が酸によって溶かされ、あるいは腐食してしまう上に、もし矢による遠距離攻撃を行ったとして、矢が刺さってもその度に体内に取り込んでしまうので意味がない。

 そして魔法の耐性。

 魔法すら体内に吸収してしまうと言われている。

 そしてダンジョンにおけるスライムの最大の脅威は、気が付かないうちに天井に忍び寄り、そのままターゲットに落下する事による攻撃だ。

 先ずスライムの自重に押しつぶされ、耐えても酸による溶解、体内に吸収されるなどであっという間に死につながってしまう。

 ダンジョンでスライムを発見した時は、可及的速やかに後退、若しくは距離を取る。無理であれば地面の土でも何でもスライムに投げつけ、スライムがそれを吸収している間に逃げるのが最善手だろう。

 もし核を識別できるのであれば、核を攻撃するのも手だが。


《スライムの増殖》


 従魔として従えているスライムが、レベルアップ時に硬くなり、身動きが取れなくなってテイマーがスライムを死んだと判断、埋葬するつもりで一昼夜土の中に埋めていた事例が報告されている。

 これはまだテイマーになりたての初心者テイマーの無知による行動なのだが、翌朝報告を聞いた冒険者ギルドの受付嬢により、スライムが死んでいないのではないかとの指摘を受け確認しに行った所、地面から一回り大きくなったスライムが飛び出してきたとの報告がある。

 その後小さなスライム数体が埋まっていた穴から出てきたとの報告がある。

 このテイマーは当時レベルが低く、1体しか従魔を持てないにも関わらず、複数のスライムを連れていたとの目撃情報もあり、未だ分かっていないスライムの増殖方法ではないかと現在魔獣の研究家達が調べている。


 但し、動いているスライムを土の中に埋めても増えなかったと報告があり、そして同じように動かなくなったスライムを地面に埋めた場合も、核を残して消滅してしまったとの結果が報告されている

 まだ何か報告されていない条件が存在しているのではないか、との指摘がある。

 もしスライムの人工増殖が可能になれば、画期的な出来事になるのだが、この初心者テイマー(当時)の次なる報告を待ちたい所だ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る