第7話 白と青のスライム

 スラちゃんが、何やら小さなスライム達に指示を出しているようです。


 そしてその指示を理解したのか、小さなスライム達はそれぞれ何処かへ移動してしまいました。

 この間に僕はちょっと用を足しに行こうと思い、よさそうな木の近くに移動、済ませます。


 出すものを出すと、落ち着きます。

 そして・・・・あれ?スラちゃんは?

 先程までスラちゃんがいた場所に向かいましたが、見当たりません。

 この時僕は、さっき用を足した場所を視界に捉えたのですが・・・・いました、スラちゃんと白いスライム。


 僕は2体のスライムの所に向かいましたが、あろう事か2体はさっき僕が用を足した場所そのものに居たんです!

 何やら白いスライムが跳ねていて、何と地面に潜っていくではありませんか!

 でもそこ、僕の小が・・・・

 折角の白い身体が汚れる!

 そう思ったのですが、何か光り輝いています。

 何をしているのかな?僕は近づいてみます。

 こう言っては何ですが、それなりに臭いがしていたんです。

 その臭いが無くなっている事に気が付いたのですが、一体何をしたのかな?

 僕はこの時、油断をしていました。

 で、青いスライムが僕の肩の上に登っている事に気が付いていませんでした。

 気が付いた時には手遅れで、青いスライムが僕の顔全体を覆うように張り付いてきたのです。


 驚いたのですが、特に呼吸が出来なくなったわけでもなく、普通に息が出来ます。

 しかし何やら顔に違和感を感じます。

 特に危害を加えている感じでもないので、好きにさせます。

 暫くして満足したのか、青いスライムは僕から離れていきました。

 そして僕の顔には何やら違和感が。

 何だか顔がすっきりしたような気がするのです。

 すがすがしい気分。


 この白いスライムと青いスライム、後に凄い需要があるのですが、この時はまだ詳しい事が分かっていない事もあり、予測できませんでした。


 因みにスライムの排出物、液体の方は特に赤色、黄色、緑色はポーションとして活用できるのですが、固形物の方は、何と肥料としてそのまま使えるです。

 この辺りに生えている薬草は、こうしたスライムの輩出した固形物が肥料として有効利用されているのですね。

 きっと育ち過ぎた薬草を、こうしてスライムが上手く調整して、その後肥料を出してくれているんだなあ。そう思うとスライムってエコな生き物なんだ。

 そんな事を思っているとスラちゃんが、

ごしゅじんみんながご主人皆がはやくだしたいっていっているよー早く出したいって言っているよー

 おっと、ポーションの確保確保・・・・

 僕はポーション用の容器をそれぞれのスライムに順次差し出すと、我先にと吐き出していきました。


 あっという間に容器が色々な液体で満たされました。

 あれ?何だかスラちゃんが吐き出してくれたのより、色が濃いように見えるんだけど?


とうぜんだよーあのこたちは当然だよーあの子達はせんもんだからねー専門だからねー


 そうなんだ?

 スラちゃんの言う事を信じるならば、小さなスライムは身体の色によって

 得意な役割があるようです。


 しかし白色と青色のスライムは、特に何も吐き出さないのだけど。

 もしかして白いスライムは汚物がいいの?

 そして青いスライムは・・・・人の皮膚?それも古いの。

 うーん、どうしたらいいのかな?

 このスライム達、僕がテイムした訳ではありません。

 スラちゃんの子供?

 スライムがどうやって増えるのかは分かりませんが、分裂したのでしょうか?

 今はスラちゃんの命令を聞いているようですが、その命令もいつまで聞くのか分かりません。


 あ、そろそろ街に戻らなくては。

 しかしこの子達をどうしたらいいのでしょう?

ごしゅじんのカバンにいれてあげてーご主人のカバンに入れてあげて―

 入るかな?そう思ったのですが、何とスライム達は次々と何か固形物を落とし、小さくなっていくではありませんか。

 液体は吐きだしますが、固形物はああして落とすんだ。

 結果軽くなって小さくなったスライム達は、僕のカバンの中にすんなりと入り込み、収まりました。

 そしてめいめい動いて居場所を探しているようで、暫くして大人しくなりました。

 そっとカバンの中を見てみると、それぞれ他のスライムに触れないようにしているのでしょうか、器用にそれぞれ距離を取りじっとしています。


 そしてスラちゃんも気が付けば最初に出会ったぐらいの大きさになっていました。

 うーん、スライムって不思議な生き物ですね。

 未だスライムが、謎の生命とされているのがわかる気がします。


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