第3話 テイムを教えてもらいます
《平原と森の境目》
平原と森の境目に来ましたが、何故この場所なのでしょうか?色々聞きたい事はありますが、流石は受付のお姉さん、
「何故平原と森の境目って顔をしているわね。ついつい話し込んじゃったけれど、まずは安全かしら。ここの平原には余程の事が無い限り【魔物】や【魔獣】は現れないのよね。但しそこはほら、人が住む街のすぐ近くにある平原だからと言うのがあるから、全ての平原には当てはまらないから気をつけてね。普通に平原をテリトリーにしている【魔獣】や【魔物】は多いのよ。それと、魔獣と魔物の区別って、実はあいまいなの。【魔獣】は飼いならせるけれど、【魔物】は飼いならせないと言われているけれど、どうなのかしらって思うのよ。但しテイムは別よ。あれは束縛とでも言うのかしら、一種の契約だから飼いならすのとは別物で、縛るのよね。」
知りたい事や知らない事等々、色々教えて下さいました。
「そしてね、スライムにもいくつか種類があって、今回狙うのはね、【薬草】を【ポーション】のような成分に変えてくれるスライムを探すのよ。いい?」
いいと言われてもさっぱりです。
「すいません、知識不足で何も分かりません。」
「そ、そうよねえ!ごめんなさいね!実はテイマーを育てるのって久しぶりだから興奮しちゃって。まあいいわ。スライムにも種類や個性等があると言われていて、種類もまだわかっていないのよね。実は1種類だけしか生息していないという説もあるの。で、何が違うのかと言えば、個体別の性格と、食べた餌によるところが大きいらしくてね。それによって進化と言うべきか、成長と言うべきか、とにかく育つにつれてスライムの進化の先が変わっちゃうの。」
何となくわかった気がします。
「で、今回はこの周辺って薬草が豊富で、そういう薬草を食べているスライムをテイムしたいの。」
「ベアトリクスさん、もしかしてスライムからポーションと同じような効果のある何かが得られるのでしょうか?」
「あら!まだ説明していないのによく気が付いたわね!そうなのよ!スライムは地面に生えている草を好んで食べる個体がいてね、そう言った個体に薬草を食べさせると、あ、スライムはね、【核】を維持するのに・・・・【核】って魔物や魔獣を仕留めたら【魔石】になるあれね!一応説明しておくと、【魔】と付く生き物は皆【核】を持っているのよ。それを維持するのには【魔素】を取り込まなくてはいけないの。で、こうした薬草にもほんの少しだけ【魔素】があるから、それを食べて取り込んで、消化したらそれを輩出するでしょ?人間だったらまあその・・・・便とか・・・・それがスライムだと、固形物はそのまま次の肥料になって、液体の方は、薬効が濃く残っていてね、それをそのまま容器に納めれば、あら不思議!ポーションの出来上がりっていう訳。で、テイマーのレベルとスライムのレベルが高くなればなるほど、得られるポーションの質も向上して、高レベルのスライムから採取した物は薬師が用意したポーションと同等か、もっと高い品質になる可能性があるのよ。一般的にはFから始まってAランクまであるわね。そして最高品質はS。通常はCまでしか使わないかしら。Fは最低品質、Eは低品質、Dは中品質、Cは+中品質、Bで高品質、Aは+高品質、Sは最高品質と分類されているわ。品質が最低だからってFでも問題ないのよ。冒険者のレベルが10になるまでは概ねFで間に合うから。余裕があればEかしら。」
このお姉さん、ずいぶんと熱心に説明をして下さいます。
有り難いです。
そんな中スライムが現れました。
小さな、手のひらに包めるぐらい小さなスライムです。
このサイズだとほぼ無害だそうです。
凶悪な酸を吐く訳でもなく、人を襲う事は殆どないそうです。
但し、ある程度大きなスライムには武器は通用しないので・・・・通用しても酸で溶けるので推奨しないそうです・・・・これは道中お姉さんが教えてくれました。
万が一スライムに襲われたら大変と、こう言った事を先に教えて下さいました。
スライムが嫌われる理由に、スライムの中は酸で満たされているというのがあるようです。
剣で切りつけると酸のせいで剣が痛むとか。
魔法で仕留めても小さな核しか得られず、効率が悪く人気が無いようです。
「あの、目の前にスライムが現れていますが、どうしたらいいのでしょうか?」
「ああうん、私ったらごめんなさいね。そうね、スライムに手をかざし、襲ってこなさそう、驚いていなさそうだったらそっと触れてあげて。そのままテイムすると念じれば恐らくテイムできるわ。無理そうだった場合これは無理って感じるからやってみてね?」
そう言われ、恐る恐る手を伸ばしますが、何故かスライムはじっとしています。
そのままそっと近づき、触れてみます。ぷにゅんとした不思議な感覚。そして・・・・
【スライムのテイムを開始します。】
と頭の中に何か情報が入ってきます。
暫くすると、
【スライムがテイムを受け入れました。従魔にしますか?はい/いいえ】
と出ました。受け入れるんだ。
「あのベアトリクスさん、受け入れましたと出ました、【はい】でいいのでしょうか?」
「あら?もう?早いわねえ!ええ、はいとしてあげて。」
【スライムのテイムを完了。名前を付けて下さい。】
名前・・・・スライムだからスラちゃん?
頭の中でそう思った瞬間、
【【スラ】と命名します。】
と出ました。え!今ので名前が決まっちゃったの?
「お、お姉さん!頭の中でスライムだからスラちゃん?と思ったら、スラって名前で命名されたのですが、こういうものなのでしょうか?」
「え?そういう訳はないと思うのだけど、もしかして・・・・スラちゃんでいいのかしら?この子が希望したのじゃないかしら?」
うーん、スライムを見るとなんだか嬉しそうにしている気がします。
「あ、その・・・なんだか君の名前が【スラ】に決まってしまったみたいなんだけど、いいかなスラちゃん?」
すると凄い勢いでプルプルしています。
「どうやら気に入ったみたいね?」
こうして僕はスライムを手に入れました。
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