第2話 何をするにも情報収集とレベル上げ
冒険者ギルドへ向かいました。
行けば分かるとの事でしたが、成程教会のすぐ近くでした。
《冒険者ギルド》
「おい坊主、ここは坊主みたいな子供が来る場所じゃねえ。とっとと帰れ!」
いきなり強面な男の人に怒鳴られました。
「駄目よアンドレ、怖がっているじゃないの!何かお使いか、伝言で来たのかもしれないし、依頼を出しに来たのかもしれないじゃないの。ごめんなさいね坊や。」
僕はここへ冒険者の登録をしに来たんだけど、言えない。
僕達は孤児院に帰れなかった場合、街に留まり冒険者の登録をするよう指示されていました。
冒険者ギルドに行けば、僕達が得たスキル・ジョブに関して色々なアドバイスや、今後の指針を示されるはずだと言われていたからです。
そこに選択の余地はありません。
生き残る為には些細な事でも情報は不可欠ですから。
「ありがとうございます。今日は教会で祝福を受けたので、このまま冒険者の登録を行いにやってきました。」
「え!嘘だろ!いくらなんでもその姿で10歳とか有り得ねえ!」
よく言われますが、そりゃあ僕は身体が小さいですが、紛れもなく10歳。
「あ、ごめんね!ほらこの子困っているじゃないの!さあ、あそこが空いているから行ってらっしゃい。」
そう言われ受付へ向かいました。
《受付》
「本日はどの様なご用件でしょうか?」
冒険者ギルドは初めてですが、ぱっと見た印象ですが受付の女性は皆さん素敵なお顔をされています。何故でしょう?
「あ、はい。先ほど祝福を受けたのですがそのままここで冒険者登録を、と思いまして。」
「ああ成程ね、ではカードを出してくれるかしら?」
僕はカードと念じて出しました。
「見せてね。どれどれスキルは・・・・テイム・・・・テイム1つ?あら、厳しいわね。レベルも当然ながら1だし、まずはスライムかしら。ちょっと待ってね。今カードを書き換えているから。」
暫くしてお姉さんがカードを返却して下さいました。
「確認しておいてね。」
名前 :【ロキュス・エルメリンス 】
性別 :【男】
レベル :【1】
ランク :【F】
年齢 :【10】
住居並びに連絡先:【ノーテルマンス】
所持スキル :【テイム:レベル1】
身分 :【冒険者】
職業 :【テイマー】
所属 :【なし】
ポイント残高 :【 0】
残高 :【 0】
ランクと身分が変更になりました。
「ランクが未登録からFに、身分も孤児から冒険者になりました。」
「あら、よく見ていたわね。それと君はロキュス君ね。運がいいわね!私はテイムのスキルを持っているのだけど、受付でテイムのスキルを持っているのって実は私だけなのよね。あ、駄目ね、ロキュスさんって言わないといけないのに。」
これは運がいいのでしょうか?
「実地講習があるのだけど、私がしてあげるから付いてきなさいね。」
そう言って、受付のお姉さんが僕の所にやってきましたが、
「おい何だあの坊主!我らのベアトリクスちゃんが!ってあいた!」
「そんな事ばかり言ってないで、少しはどの依頼を受けるか真面目に考えなさいよ!」
「そんな事だと!我らのアイドルベアトリクスちゃんがあんな子供に・・・・何でだあ!」
受付のお姉さんが手を握って誘導して下さいます。
「いつもの事だから気にしないでね。さあ、森の近くまで行くけれど、体力はある?」
森までどのぐらい歩くのかわからないので、答えようがありません。
「数時間ぐらいであれば多分歩けます。」
「いえいえそこまで歩かないから!1時間も歩けば森だし、そこでスライムをテイムして、従魔になったスライムをどう扱うか教えてあげる。」
何か背後からの視線がとんでもなく痛いですし殺気が凄かったのですが、僕はベアトリクスさんに引っ張られ冒険者ギルドを、そして街を出ました。
《街の外》
「街道を歩く分には安全だから。」
「あのベアトリクスさん、何故ここまで親切にして下さるのでしょうか?僕には理由が分かりません。」
「あーそれね、気にしなくていいのよ。まあ決まりみたいなものだから。実際冒険者になりたての子って、生存率が極端に低いのよ。特に君みたいな1つスキルだとね。戦闘向けのスキルを所持していないと、生存率がぐっと下がるのよ。テイムのスキルもそう。極めれば非常に強力なスキルであり、テイマーは最強の一角を担える職業なのだけど、そもそもレベル10まで生き延びる確率って、10%以下なのよね。レベル20までの生存率って5%以下よ!もう1度言うけど5%以下。ある程度レベルが上がればそれなりの【魔物】や【魔獣】をテイムできるのだけど、身の丈に合わないランクを、つまり魔物の事だけどね。まあそんなのをテイムしようとしたり、運悪く自身の力では太刀打ちできない魔物なんかと遭遇しちゃうとあっけないのよ。そのかわり強い魔物や魔獣をテイムできれば後は【従魔】に任せれば何とかなるから、その後はどんどん強くなるのよ。」
道中お姉さんが色々教えて下さったので、森までの1時間があっという間でした。
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