11 ギルドマスターの試練

昨日ジラルドさんに言われたように、ギルドの受付に行った。

リーディルさんがいた。

「あっ、アード君」

「渡す前にちょっとお話があります」

「イディナ受付は頼むわね」

「はい!」

「ジラルド行くわよ」

「ああ」

「どこに向かってるんですか?」

「行ったらわかるわ」

着いたようだ。

ノックする。

「リーディル達か?」

「はい」

「入れ」

「はっ!」

部屋に入ると腰に太刀を差した隻眼の男が、出迎えてくれた。

「自己紹介をしよう」

「俺は、ディアード・ロディクス。このギルドの組合代理人ギルドマスターだ」

組合代理人ギルドマスターだって?」

「長距離転移」

試験会場よりも広い闘技場?みたいなところに転移させられた。

「俺の目的は、お前を見極めることだ」

「雷響」

自らの素の身体能力と雷の魔法にて身体能力を上昇させた抜刀居合を繰り出された。

「地覇斬」

魔闘法を纏い、闘気を放つ。

雷をまとった刀剣と、放出された闘気がぶつかり合い、激しい衝撃波を伴い消失した。

「疾雷」

更にさっきの抜刀居合よりも速い速度の切り上げだ。

「冥剣」

暗黒魔法と死神の闇魔力、暗黒魔力を使用することでやっと成功した闇の浸食と吸収の本質を出した技だ。

以前戦場で使っていた冥刃の上位互換である。

闇の魔力が、雷の魔力を侵食、吸収していき、雷の魔力が消失した。

「最後にしよう」

「俺を楽しませてくれ」

話しつつ、太刀を鞘に仕舞い、抜刀居合の体制に入った。

「奥義」

「雷神・雷鳴轟雷」

限界までの肉体と膨大な雷魔力が体を循環し、踏み込みの速度は、視認が不可能な領域である。

そして相応の危険も伴う。この技は、筋肉を限界まで酷使する。

故に、連発ができない。

まだある左足すら、消失する可能性を持っていた。

そんな速度の攻撃は、数秒でアードに直撃するはずだった。

「冥虎」

紫色の闇の魔力の虎が、切り上げとともに、雷の魔力を喰らい、ある音が響き渡った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る