3 猩々の宴

猩猩の集落は、猩猩が約250程度住んでいた。

「今日の主役は、お前だからなあ!」

「嫌いなものはないか?」

「あっ」

「どうした?」

「俺自己紹介してねえな」

「それを言うなら、儂も、大猩猩は、肩書きじゃ」

「じゃあ、互いに自己紹介しよう」

「まずは、俺からアード・グラメルスだ」

「儂は、大猩猩のクヴァルドじゃ」

「よろしくクヴァルド」

「ヴァルで良い。この名は、俺が唯一誓約を交した御方と、その配下のみに呼ばせていた名だ」

「なら、俺のこともアードと呼んでくれ」

「アード。誓約ではなく、盟約だ」

「ヴァル...いいのか?」

「ああ、アード」

「盟約。我大いなる猩猩。彼の者は、人の子なり!我らを盟約とし、盟友とし、繋げたまえ!」

濃い魔の力と記憶が流れ込んで来た。

「冥王...の死?」

「ああ、我が誓約を交わした御方は、もうすでに死んでおる」

「だが儂らは、彼の方の本質は消えておらんと思うとる」

「だから儂らは、待ち続けるのじゃ」

「彼の御方の来訪をな」

「そうなのか」

「少し湿っぽくなったな。今日は宴がメインだ!」

「ああ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る