カウントダウン3話 魔界集会
餓鬼 「皆の者、不幸の塊を喰らえばよい」
邪鬼群「お~」
邪鬼甲「喰らえば餓鬼様に喰って頂けるのですか」
餓鬼 「喰ろうてやるわ。我が血となり肉となれ」
邪鬼丙「ありがたき幸せ。なぁ、皆」
邪鬼群「お~」
邪鬼丁「して、どこのどやつにちょっかいを出せば宜しいのです
か」
餓鬼 「それは魂界の者の動き次第」
邪鬼甲「魂界ですか、邪魔ばかりする」
餓鬼 「今回だけはいつもと違う。思う存分喰らうがよい」
邪鬼群「お~」
餓鬼 「皆の者、死神、疫病神、貧乏神が撒き散らす臭いを頼り
に暴れまわれよ」
邪鬼丙「なんと三厄神まで力添えを」
餓鬼 「裏で閻魔大王が動いておる。恐れる者はなし」
邪鬼丁「閻魔様までが。これは鬼に金棒ですね」
餓鬼 「人間界に巣食う魔人たちだ。骨の髄まで喰らえ~」
邪鬼群「お~」
邪鬼甲「餓鬼様、魔人には他の餓鬼が既に憑依しているのでは」
邪鬼群「そ・そんなぁ~、ありえない、ありえない」
餓鬼 「何を尻込みしておる。恐れをなしたか、ならば辞める
か、構わないぞ」
邪鬼丙「我ら一派が名を挙げる絶好機、逃す手はないぞ」
邪鬼群「そうだ、そうだ」
餓鬼 「相手の大将を喰った者はさぞかし、旨かろう」
邪鬼群「餓鬼を喰らう?そんなことが我らに出来るのですか」
餓鬼 「お前たちには無理だ。だから俺が喰らう。お前たちは、
味付けに努めればいい」
邪鬼丁「餓鬼が餓鬼を喰らう?聞いたことがない。そんなことが
できるのか?」
餓鬼 「実際に喰らうかは分からん。上には上の話で決まる事
も。こればかりはやってみなければわからんわ」
邪鬼甲「皆の者、敵が誰であろうと我らの出世話に変わりないで
はないか。嫌なら引け~。私は挑むぞ」
邪鬼群「私たちもだ、な、お~」
邪鬼の中で最も優秀な邪鬼優が餓鬼に擦り寄り聞いた。餓鬼優は喰らわれる者ではなく次期、餓鬼に転生できる成績を上げた者だった。
餓鬼優「餓鬼様、御含みある事をお聞かせください」
餓鬼 「気づいたか」
餓鬼優「はい」
餓鬼 「そなたにだけ話そう、あとで来るがよい」
餓鬼優「はっ」
餓鬼 「では、獲物はSelabeにあり、迎え~」
邪鬼群「お~」
出世を夢見た邪鬼が一目散に三厄神が導く臭いを頼りに行き急いだ。それを見届けて邪鬼優は餓鬼の元に出向いた。
餓鬼 「気づいたお前には起爆剤を与える。その弾で傷ついた者
を喰らえばいい。見事、喰らえばお前の転生にも役立つ
やも知れんな」
邪鬼優「有難く存じます」
餓鬼 「大王が面白い事言うておったわ」
邪鬼優「いかような」
餓鬼 「大王は三途の河原に冥土喫茶なるものを設けているそう
な。そこにメイドがおってその者を人間界に送り込む
と」
邪鬼優「何と、そんなこと如何に大王でも」
餓鬼 「出来ないわな。だから、魂界の者を巻き込んだ。そいつ
にメイドに憑依させ、そのメイドを駒とし、鉄砲玉を拵
えるそうだ」
邪鬼優「餓鬼が巣食うている中、動けば葬りに掛かるのでは」
餓鬼 「奴らが喰らっているのはこの国の血税だ。金のなる木い
や邪心のなる木を手に入れたようなものだ。さぞかし、
旨かろう、濡れ手に粟だからな」
邪鬼優「では丸々太った餓鬼が睨みを聞かせていることも」
餓鬼 「落ち気づいたか、震えてるではないか」
邪鬼優「無、武者震いですよ」
餓鬼 「太った豚は美味かろうて。そいつの手に入れた力も奪え
る。お前にも分けてやろうか、あははははは」
邪鬼優「勿体ない」
邪鬼優は、君子危うきに近づかずと冷静に状況を見る事にした。目の前の甘い餌に飛びつき、存在そのものを失くしては元もこうもないと冷ややかに餓鬼の言葉を聞いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます