『異篇 暗黒小惑星の恐怖』 その2

 

 『まあ、おれさまは、天才だからな。酔っぱらってても、しっかり、衝突は避けた。ばかコンピュータのおかげで、ちと、焦ったがな。』


 運転手さんは、管理コンピュータを細工して、飲酒運転が、当局にばれないようにするつもりでした。


 で、まあ、ちょいと、いい具合に酔いも覚めてきたので、さささ、と、仕上げるつもりだったのです。


 『まあ、地球の文明は、まだまだ、赤ちゃんみたいなものですから、ちょろちょろよ〰️〰️。』


 と、たかをくくって、いたのです。


 しかし、運転手さんは、地球が、深宇宙探査のための人工衛星をいくつか飛ばしていることなんか、知りません。


 しかも、最近飛ばされた衛星には、秘密裏に潜り込んでいた銀河連盟の工作員が、地球の研究者に乗り移って、小さな探査のための装置を人工衛星に取り付けてあったのです。


 これは、太陽系周辺に、どのくらい、異世界知的生物が乗り込んでいるか、人類の人工衛星の機能、その監視、などの調査が主目的でしたが、ついでに、飲酒運転なんかも、取り締まれるようになっております。


 そこで、いかにも、グッドタイミングだったのです。


 連盟の担当者には、『こいつが、暗黒小惑星ではなく、輸送船だ』、と分かっていたわけです。


 さらに、銀河連盟は、地球人が、この危機的な状況に、どう対処するかを、じっくり、じっと、見つめていました。


 普段は、喧嘩ばかりしているが、危機のときは、国連を中心にまとまるのか?


 それとも、やはり、競争や、争いをするのか。



 つまり、なぜ、暗黒輸送船は、地球にぶつからなかったか?


 月を、ぎりぎり、避けて通ったのか。


 運転手さんの、力量ではなかったのです。


 銀河連盟の仕業だったわけです。


 輸送船のコンピュータが、ちょいと、調子が狂ってたのも、連盟のせいでした。


 コントロールを、奪えるように細工してあったのですが、なかなか優秀なコンピュータさんが、反発していたのです。


 まあ、とにかく、暗黒輸送船の運転手さんは、太陽系を出たところで、ご用となりました。


 また、『地球人は、よい部分もあるものの、全体的には、身勝手な生物である。』


 という評価が、連盟の中で、固まりつつありました。


 しかし、本当の危機は、そのあと、間もなく、やってきたのです。


 世界戦争であります。



 それは、いくつか、他のお話で。



         🏮ゴヨウダ!


            おしまい



        🙏

 

『こらあ、もっとまともな、セリフしゃべらせろう〰️〰️〰️〰️。』


 と。運転手さんから、苦情がありました。

 


 


 


 


 


 

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『異篇 暗黒小惑星の恐怖』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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