『異篇 暗黒小惑星の恐怖』

やましん(テンパー)

『異篇 暗黒小惑星の恐怖』 その1

 『これは、フィクションです。』


 (エブリスタさまに、『本編』があります。)



        🌍


 地球を襲ってきた、太陽の光をほとんど反射しない、『暗黒小惑星』は、実は、とある巨大宇宙人が、酒酔い運転していたのであります。


 ついでに、不可思議なコンピュータの不調も重なって、あと一歩で地球に衝突する寸前になってしまいました。


 なんとか、Uターンはしたものの、次には、地球の要人たちが避難していた、地球の『月』に、またまた激突しそうになったのであります。


 しかし、これも、ギリギリのところで衝突を回避し、暗黒小惑星は、宇宙のかなたに酒酔い運転のまま、飛び去ったのであります。

 

 この、真実については、(そういう推測をする向きはあったものの、)地球人には、知るよしもなかったのであります。



       ●●●●●●●



 地球人類の生き残りをかけて、月に避難していた人々の、地球への帰還が始まりました。


 しかし、地球の世論は、大きく分断してしまっていたのです。


 やむを得ず行われた、勇気ある判断だった、と、地球政府の支持層は訴えました。


 けれど、彼らのなかでも、異論がありました。


 それは、政府の支持層でも、避難宇宙船に、皆、乗れたわけではないからです。


 避難者の選定に、問題がなかったか、よく、検証する必要がある。と、彼らは指摘しました。


 その背景には、月に渡った人たちから、新しい権力を確保したい、という思惑もありましたような。


 一方、反政府支持層の多くは、指導者たちのうち、地球に留まった地球大統領などは除いて、月に避難した上層部を中心に、裁判に託すべきだと主張したのです。


 また、それ以外にも、幾つかの主張がありました。


 そこには、当然ながら、両極端な過激派もありました。


 月に避難した者たちを、地球に帰すべからず。


 地球に残った人たちが、新政府を打ち立てるべきである。


 ということは、だいたいに共通していましたが、打ち立てるべき新政府の内容は、極右から、極左に渡りましたのです。


 また、科学者たちには、何が起こったのかを、早期に解明すべし、という、強烈な圧力が、掛かりました。


         👾


 さて、大酒を飲んで、地球と月にぶつかりかけた張本人は、ノミ・スギー星人の運転手さんでした。


 彼は、大型輸送船、ノセタ・ラダマス号を、操縦していました。


 それは、惑星タイプの宇宙船でありました。


 実際に、本体自体は、小型の惑星を使って、製造したもので、外装は、あらゆる電磁波を反射しにくいコーティングになっていました。


 まあ、地球でいいます、ステルス・タイプであります。


 乗員は一人だけ。


 これ自体は、ノミ・スギー星人の常識の範疇になります。


 もちろん、もう少し大きい宇宙船ならば、複数の乗員になるのですが、まあ、ぎりぎりセーフ、の範囲です。


 しかし、彼らの規則からいっても、生物の生息する惑星系を横切る場合などは、当然ながら、禁酒であり、飲酒運転は、厳禁であります。


 しかし、この、運転手さんは、かなり悪質なタイプでありました。


 優秀な、宇宙コンピュータ技師でもあり、コンピュータの、誤魔化し方を、誰よりも、熟知していたのです。


 

     ◇◇◇◇◇◇◇◇


 

 


 


 

 


 


 

 

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