10-3
「今日はここまでにしよっか」
奏と共に初の編集を行っていた。
結局、一日では終わらなかった。
わかっていた事だが、中々に時間が掛かりあれでもないこれでもないとやっていき、紅羽にダメ出しを喰らい修正をしての繰り返しだった。
「ふぅ~」
「お疲れ様、はい今日のバイト代」
そう言って彼女は千円を渡してくる。
少ないな。
奏との交渉は進捗度合いの歩合制という事になっている。
この調子なら五日かかるという事だろう。
「先は遠いな」
「まぁ、慣れだよ。 どうする? ここで辞めとく?」
ここで辞めるという選択肢はある。
普通にバイトした方が明らかに儲かる。
だけど、もう少しやってみたい。
最初から投げ出すのは嫌だからだ。
「継続は力なり」、彼方ちゃんが良く口にすることだ。
途中で投げ出すのは簡単でやり切ってからやめれば自分の価値になる。
「だけど、やめるのと投げ出すのは違う」と、「やめるなら全力でやり切ってからやめるべき」だと、彼女はそう言って今まで番組を全力で続けてきたのだ。
「受けた仕事は最後までやる。 その後で考える」
そう言うと、奏は嬉しそうに笑った。
「それでこそ、彼方ちゃんのリスナーだね」
そう言って次の日も奏の家で動画編集を続けるのだった。
幼馴染みとラジオの向こう ゆうき± @yuuki0plus
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。幼馴染みとラジオの向こうの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます