9-3

「俺、やるわ!!」


 次の日、晴斗はやる気満々で僕に宣言してきやがった。

 とはいえ、小倉さんのいる教室で言わないのが晴斗らしいのだが……。


「つっても、次の計画はあるのかよ?」

「……?」


 ……ん?

 何かおかしなことを言っただろうか?

 晴斗はきょとんとした表情で首を傾げ、こちらを見ている。

 こいつ、もしかしてやる気が先行しているだけなんじゃ……。

 

「何も考えて、無いのか?」

「……(コクリ)」


 笑顔でこいつ頷きやがった!!

 今回はだめかもしれない。

 

「なぁ、蓮人」

「なんだよ」

「ダブルデートしねえか?」

「……は?」


 何を言っているのだろうかこいつは。

 デートと言うのは特定の恋人がいる人のことを言うのだ。

 僕にそういう相手がいないのをわかっていってるのだろうか?


「喧嘩売ってんのか? こっちとら彼女いない歴年齢なんだぞ?」

「言い方を間違えた、男女2体2でどうよ?」


 あぁ、そういう事か。

 要は僕と奏でサポートしてほしいと。

 でもなぁ~。

 正直、僕らに出来る事なんてもうない気がする。

 だけど、二人の行く末が気になるのもまた事実だった。


「何曜日に行く予定なんだ?」

「それは、そっちに合わせるよ。 俺も咲奈も空いてるし、調整できるから」

「わかった、奏にも確認とって連絡するよ」


 そう言って僕はチケットを二枚受け取ると、帰り道にそれとなく聞いてみる事にした。

 

 

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